第八回 「インターステラー」についての書簡禄 その2 完全ネタバレ注意
最近見たどのロボより家にいて欲しいロボ
かわず:というかですよ
気楽: うん
かわず:一つ目の星のときさ
かわず:最初っからTARSが回収しに行けよという活躍ぶりでしたね
気楽: 足早!っていうね。
かわず:お前……お前っ…!
かわず:ってなりました
気楽: まさかお姫様抱っこの状態で走るとは思ってなかった。
かわず:笑
かわず:そうね
かわず:あぁやって移動してたのに…あれ?
かわず:どうするんだよ!
気楽: 腕別に出るんだ!ってね
かわず:笑
かわず:ますますお前行けよっていう感じが強まったという…笑
気楽: もっとこう、マットデイモンのように酷使してよかったのでは無いかとw
気楽: そういえば、さっきので思い出したんだけど
かわず:うん
気楽: かなり意識して2001年宇宙の旅してませんでしたか?
かわず:ほうほう
かわず:というと?
気楽: 本を向こうに落とすのって、ハルの中身出すのと対照的な行為じゃない?
かわず:HALの中身を出す…?
かわず:(そんなのあったっけ…?)
気楽: デイジー歌わせながら殺すところですよ
かわず:(デイジー歌わせながら殺す…?)
気楽: [画像]
気楽: こんなん
かわず:見ました見ました
かわず:「2001年 デイジー」で出ました
かわず:本棚みたいですね
かわず:(こんなんあったか…)
気楽: さっきから言ってたマイケルケインの秘密も2001年の上層部が旅の目的秘密にしてるのと一緒ですよね
かわず:そう言われればそうだね
かわず:2001年はちょっともう猿とHALとスターチャイルドしか覚えてなかったもので…
気楽: ブラックホールで自己犠牲するロボは2010年だし
かわず:なるほど
気楽: ちゃんと自分のテーマを描いているんだけど、そのためにも意識してるのは確実ですよね
かわず:そうね
かわず:ちがう意味で使ってるんだね
気楽: というか、一緒に惑星に降りて探索するロボットとか!
かわず:む
気楽: いつの時代の話だ!
気楽: よっぽど好きだったんだな!ノーラン!!
気楽: 俺、それ最後に見たのロストインスペースの気がするわ。
かわず:というかTARSの形もモノリスみたいだしね…笑
気楽: 板ロボ流行るかなぁ
かわず:最近見たどのロボより家にいて欲しいと思いましたよ
気楽: 暗殺教室には板ロボの萌えキャラもいますから、これから時代が来るかも
ぼくはTARS「さん」な!と心の中で思いました
かわず:でもぶっち切り最新の科学ネタだと思いますよ
かわず:重力
かわず:藤子F御大がご存命ならきっと…
気楽: え、重力なら操れるって言われてんの?
かわず:というかブラックホールの中の話で重力がどうたらみたいなのが
かわず:ホットな話らしいというのは聞いたことがあるような…
気楽: Fさんが描きそうな話ではあるんだけど、どう反応されるか…日常描写の人でもあるからなぁ
かわず:そうね
かわず:のび太「重力なら操れるはずなんだぁ〜!」
かわず:とか胸熱ですけどね
気楽: チンカラホイ!
気楽: さっき言いかけてたロボの凄さなんですが
かわず:あ、はい…笑
気楽: あのロボ、ハッチとうまくくっつくように頑張る時
かわず:うん
気楽: 腕で普通に操縦桿握ってましたよね
かわず:腕出してたっけ…笑?
かわず:あぁーーー
かわず:出してた!
気楽: でしょう!
かわず:回ってるときだよね…笑?
気楽: てっきり、機械に直接指令送ってるとかだと思ってたんで
気楽: そうw
気楽: 度肝抜かれましたよ!
かわず:普通接続して操縦するな…笑
かわず:ドラえもんがチョキ出せるみたいな凄みですね
気楽: そうそう。
気楽: ルークが後ろの席みたらR2D2が腕出して帝国軍機銃で撃ち殺してた感じです
かわず:笑
かわず:それは本当にありました…笑?
気楽: 無いですねw例えです。
かわず:げすくんと話したときもR2-D2の話が出てきましてね
気楽: うん。
かわず:TARSはR2-D2並みに優秀、と
かわず:ぼくは
かわず:TARS「さん」な!と心の中で思いました
かわず:R2-D2は好きではないので
気楽: 宇宙船の後部に乗ってもらいたくなりますよね。
かわず:どっちだ!
気楽: そうなのか
気楽: どっちもだよ
かわず:あのデッカい掃除機みたいな方か!
気楽: C3POよりは乗せたいだろう!
かわず:あいつは自分より可愛くない子を合コンに連れて行く子だ!
気楽: だから、優秀なんすよ。
かわず:R2-D2は絶対スケベだ!
かわず:ふぅ
かわず:取り乱しました
気楽: 可愛さ装ってパンツ覗いてたりはすると思うよ!
かわず:だよね
気楽: 間違いない。
かわず:溜飲を下げていただきありがとうございます
気楽: どうも未だに名前が覚えれないのだけど
かわず:うん
気楽: TARSさんともう一体なんだっけ?
かわず:…
気楽: え…
かわず:キースみたいな名前のって
かわず:いなかったっけ?
気楽: KIPSみたいなのがマン博士に壊されてた気がする(※正しくはkipp )
かわず:CASEらしい
かわず:ケイス
気楽: ケイスは、何処で死んだんだっけ?
かわず:黒人と爆発したわけではないんだよね…?
気楽: 逃げたしてたよね、確か
気楽: というか、どの行動をしたのがどっちだったかわからない。
かわず:名前書いてくれてるのにね
かわず:あれじゃない?
気楽: 黒人で思い出したけど、みんな歳全然とってねぇ問題もあるよね。
かわず:アンハサのとこにケイス置いてったんじゃない?
気楽: ああ、そうか。
気楽: で、黒人爆発の時に逃げてきたTARSを収納した宇宙船を運転してたのがCASEか
かわず:でもちょっとフェードアウト力高すぎやね
気楽: やっぱユーモア度が無いとね
TARS CASE KIPP
かわず:なんか
かわず:ターズ、ケイス、キップスって
かわず:並び替えて何かの言葉とかにならんかな
かわず:ならんか
気楽: もしかして、ハル=IBMつかえますか?
かわず:それ言われると途端に面倒やな
気楽: IBM説は今やりましたが駄目ですね
かわず:母音が少なすぎるね
かわず:アナグラムにはならなさそう
かわず:STAR SICK APE とSには分解できる
気楽: ごめん、kipp だった
かわず:Pが残る!
かわず:元の木阿弥だよ〜
かわず:あ
かわず:STARとPICKSとAPE?
気楽: おお
気楽: ピックスとは?
かわず:pickの三人称単数現在形
かわず:選び取るという意味があるみたい
気楽: ああ、なるほど
気楽: 文章なのか
かわず:拾うで習うけど
かわず:どっちがどっちをだろう
気楽: 2001年宇宙の旅なら
かわず:猿が星を選ぶのか
星が猿を選ぶのか
気楽: 今の並びでいいんじゃない?
かわず:なるほど
かわず:インターステラーなら
かわず:逆だ!
かわず:オシャレー…笑
気楽: 主語と目的語の入れ替えで中身が全てわかる〜!
かわず:すげぇ
かわず:これは仕込んでるやつっぽいね
気楽: 地味に凄い発見なんじゃね、コレ
かわず:つぶやこう…笑
気楽: ブログにしよう!w
かわず:くそう!個としてのアレを主張したいが…
かわず:2001年との対比は考えてなかったので折れるよ…
気楽: いや、呟いて全然イイよ。
かわず:いいのか!
気楽: こっちはこっちでまとめとくから
気楽: ちょうどオチもついたのでこの辺にしときましょう
かわず:そうね
かわず:すごいオチだ
気楽: 紙の月の話はまた今度ということで
かわず:そうね
第八回 「インターステラー」についての書簡禄 その1 完全ネタバレ注意
君はセンスオブワンダーを感じたか!
気楽: かわずさん、インターステラーどうでした?
気楽: 多分なんですけど、今回はガーディアンズの時のかわずさんの立ち位置の気がするんで。ちょっと聞いてみたいんです。(※ 以前ガーディアンズオブギャラクシーを見た時も意見が割れ、気楽:は肯定派、かわず:は否定派だった。)
かわず:あら
かわず:ピンと来てない方ですか?
気楽: ええ、割と…
かわず:まじか…
かわず:なんでしょうか
かわず:ガーディアンズのときに
かわず:センス・オブ・ワンダーと言われて
かわず:はっ?
かわず:という感じだったんですが
かわず:インターステラーは
かわず:脳が焼きつくような感覚を体感しました
気楽: マジか!
気楽: そこまで!
かわず:なんだこれ!
かわず:俺はこれ知らないぞ!
かわず:聞いてねぇよ!
かわず:訴えてやる!
かわず:となってましたね
気楽: ええと、特にどのへんですか?
かわず:まぁそうなったのは四次元立方体のところですね
かわず:本棚裏という呼ばれ方もされてますが
気楽: あの五次元空間を三次元で表現してみましたな場所ね
かわず:そうそう
気楽: 落っこちた先がエレベーターシャフトみたいになっててなんじゃこりゃとは思いましたね
かわず:TARSが四次元立方体が閉じられるって言ってた気がしてそう呼んでますが
かわず:そうね
かわず:さっきまでゴリゴリのSFだったのに
かわず:なんだこれは
かわず:どこに行くんだ
かわず:というね
気楽: そこからは完全に家族愛の話になって行きますからね。
気楽: 側に立つもの。スタンドは僕だったのかという話に
かわず:そうね
かわず:最後に勝つのは重力のパワーだというのもスティール・ボール・ランかというね
気楽: 親父の形見(?)が誇りに繋がるというのもね
かわず:ふむ
結局アンハサの「愛なのよ!愛!」
かわず:ということは
かわず:家族愛の部分では納得はされてるということですな?
気楽: そこですよ!
かわず:むむ
気楽: 家族愛の話なのはわかってたんですけど、その描き方なんとかしてくれノーランと
かわず:ほう
かわず:というと
気楽: 一番、分かりやすいところだとね
かわず:うん
気楽: マイケルケイン死ぬところですよ
かわず:ダークナイトの執事さんか
かわず:NASAのお偉いさんね
気楽: ノーランはマイケルケインをマジでアルフレッドばりに酷使するきらいがある
気楽: プレステージも気付いたら何故かアルフレッドになっていた
気楽: NASAのお偉いさん、死ぬ直前に秘密を明かすじゃ無いですか
かわず:うん
かわず:根底から覆すようなね
気楽: 実はプランAなんてムリムリ
気楽: 人類なんてみんな死ぬしかないんですよ!どうしようもないんですよ!と
かわず:そうね
かわず:人類移住とか大ウソ!
かわず:ってことだもんね
気楽: うん。けど主人公は地球を救うために宇宙に向かったわけだよね。
かわず:そうだね
気楽: 主人公はその秘密は知らなかった。
気楽: なのに、お偉いさんは、主人公の娘が「父さんは秘密を知ってたの?」と聞いても答えないんですよ
かわず:ボケちゃったんでしょう…笑
かわず:怒れ…怒れ…
気楽: 黙ってるわけじゃなくて詩を朗読するというねw
かわず:(おじいちゃんまた同じこと言ってる…)
かわず:というね
気楽: 人類は死ぬしかない!だから歌うんだよ!!ってあんたはサンボマスターかなんかかと
気楽: そう思うわけですよ!
かわず:私はもうあれは弟のジョナサンということで片付けました
気楽: ほう!
気楽: どういうことですか?
かわず:ノーランが批判されている部分で詩の引用して気取ってるとか
気楽: うんうん
かわず:要らない要素持って来てるのは全てジョナサンなのではないかと思いまして
気楽: クリストファーじゃないと
かわず:そう
かわず:インターステラー見たあとにノーラン今までごめん
かわず:つぶやいたんですが
かわず:俺は橋渡し役だったんだ!
かわず:と自分の使命に気づく主人公こそ本当のロマンを信じている道の探求者なのだと
かわず:深く感銘を受けたもので
気楽: 確かに、いろいろドラマシーンをおかしいやろ!と思ってた僕でさえ
気楽: ラストシーン付近で主人公が橋渡し役になったあと、続く世界という描写には感動してしまいました。
かわず:だよね
かわず:そして、よくよく思い返すとあの詩を胸に秘めてる者は
かわず:主人公の邪魔するやつばっかりなんですよ
気楽: マイケルケインとアンハサと
気楽: あと、誰だっけ?
かわず:マット・デイモン
かわず:博士の詩を聞いたか?
気楽: マン博士!
かわず:って言って来ます
かわず:そう!
かわず:マンの野郎!
気楽: 久しぶりのダメな方のデイモンでしたね
かわず:童貞臭強めでしたね…笑
かわず:アンハサは
気楽: 子持ちなのに!
かわず:マイケルケインの地球からのメッセージ聞くシーンで
かわず:詩を朗読されて、はぁ?って感じに見えたんですが
かわず:アンハサもそうかなぁ?
気楽: 一人でブツブツいってなかったっけ?
かわず:言ってたか
かわず:まぁ結果的に邪魔ばかりしてましたしね
気楽: けど、あの詩って死んでたまっか!怒れ、怒れ!行動しろ!な詩で
気楽: どちらかと言うと肯定的に使われてるんじゃないの?
かわず:本当の意味はね
気楽: うん
かわず:でも本当の意味で死んでたまるかと行動するのは主人公のみに見えるんですよね
かわず:マイケルケインの場合は
かわず:種の存続のためにという行動原理でしたし
かわず:その計画を理解してたマット・デイモンは結局個の存続という行動原理に走るんですよ
かわず:その結果
かわず:個(自分)ではなく現存する人類(家族)を救うためという行動原理とする主人公にとっては二人は邪魔者でしかないんですけどね
気楽: 個でもなく、種という不特定多数の話でもなく、特定個人への愛情こそが人類を救うという
かわず:そうそう
かわず:結局アンハサの愛なのよ!愛!
かわず:なんですよね
気楽: アンハサの意見が実は間違ってなかったってなるしね
かわず:そうなのよ!
かわず:でもね…笑
気楽: 救いのある星は彼新地
かわず:一つ目の星で大ポカやらかした後の
かわず:あの演説は…笑
かわず:このアマ…!
気楽: 誰がついてくか!と
かわず:ってなるのであれは当然の流れですが…笑
かわず:本当に思いましたもの
かわず:このアマ…!って
気楽: 愛演説こみで「おめぇ、イカレチマッタノか?」と思いました
かわず:あれ最高でしたわ
気楽: そうかぁ
この穴を創ったのは誰だ!
かわず:まぁとにかく
かわず:詩とか言ってんじゃねぇよ!
かわず:死ね!ジョナサン!
かわず:という見方に落ち着いてます…笑
気楽: うーむ
気楽: けど、演出はノーランさんなんですよね?
かわず:そうねぇ〜
気楽: マイケルケインの死に方も、アンハサもそうなんですけど
かわず:うん
気楽: 詩とか、愛の理屈が悪いのじゃなくて
気楽: 親子の溝を深めるためだけの沈黙とか、なぜか突然テーマ言い出すとか、単純に演出どうにかならんのかと思えてしまうんですが…
かわず:それを言い出すと…
かわず:本棚裏のシーンが
かわず:アホか…一択になりませんか?
気楽: あそこは、何と無く予想できてたので
かわず:まぁな
気楽: 重力操り描写がよくわからんことの方が気になりました
かわず:スティール・ボール・ランもよくわからんかったからいいでしょうそれは!
気楽: !!
気楽: そういえばそうだ!
気楽: SFと言われるからむしろ気になるのかも
かわず:黄金の回転すげぇ!でいいんですよ!
かわず:あのシーンを科学考証的にどうかとかそんな楽しみ方は求めてないんですよ
かわず:少なくとも私は
かわず:SF好きではないですからね
気楽: ふむ
かわず:だってあれですよ
かわず:本棚裏に関しても
かわず:「かれら」が私たちにわかりやすくこの空間をつくりました
かわず:って言ってるし
かわず:正しさなんか糞食らえですよ
気楽: 「かれら」が全部調整してくれてたんだろう、が
気楽: 主人公が発見されるとか、色んなところで出てきますよね
かわず:そうね
気楽: それこそ、「かれら」への信頼度の証とも言えるんですけど
かわず:うん
気楽: ノーランの未来への希望、信頼度は絶大でしたね。
かわず:そこなんですよね
かわず:この映画の素晴らしさって
気楽: 2001年宇宙の旅のスターチャイルドと同じようで真逆な「かれら」
かわず:そうね
かわず:キューブリックは神も信じてなければ人も信じてないんだろうね
気楽: 人類なんてもう駄目
俺だけ進化するしか無い
みたいなところありますよね
かわず:ニーチェか…と
気楽: 伊達にツァラトゥストラ使ってねぇぜ!
気楽: そういう意味でインターステラーの乗組員が多いのはちゃんと意味がありますよね
かわず:そうだね
かわず:2001年は殺されたんだっけ?
かわず:HALに
気楽: うん。
気楽: 宿直の二人だけ起きてたんでしょ
かわず:そかそか
かわず:やっぱり対照的ですな
かわず:みんな任務中に死んでいきましたからね
第七回 「渇き。」についての書簡禄 その2 ※完全ネタバレ注意
かわずさんの果てしなき、渇き。
かわず:私、映画戯画の方でも度々言ってますけど
気楽:うん
かわず:「探偵はBARにいる」はこうしたら傑作だ!みたいな
かわず:おこがましいことをよく言ってるじゃないですか?
かわず:内容は依頼者が少女で
かわず:探偵とのチグハグコンビで話が進むみたいな
気楽:(ルパンだ、ルパンが出たぞ)
かわず:やっぱり私そういう話に日頃から飢えてるわけじゃないですか?
かわず:渇いちゃってるわけじゃないですか?
かわず:渇望してたわけですよ!
かわず:あのあと橋本愛ちゃんは置いて行かれるからそんな物語はすぐ終了しますが
かわず:ここなんです
かわず:これがこの映画の正体なんです!
かわず:役者の演技ではよく聞く言葉
かわず:足す演技、引く演技
かわず:特に引く演技は情報を増やして行くのではなくてむしろ少なくしてゆく演技ですね
かわず:観客が気持ちを委ねやすいように
気楽:私たちも部にいた頃は引き算覚えろとか言われましたね。
かわず:そうね
かわず:全然わからなかったけどね
気楽:うん…
かわず:それを映像でやってるのではないかと
かわず:この映画は
気楽:表層しか見えないものから何を読み解くのか、それは現実と同じくあなた自身が読み解くしかないのです。
気楽:ということでしょうか
かわず:うむ
かわず:映像の情報量は多めですけど
かわず:役者には足し算させてませんし
かわず:突然探偵バディ物に見えたりするわけです
かわず:長々と語っておりましたが
気楽:ころころ演出も変わるわけですね
かわず:だいたいこんなものでございます
気楽:なるほどなぁ。しっくり来たわ
原作との違い(とーちゃんは辛いよ)
かわず:あぁちなみに
かわず:中島哲也はクスリから何にどうズラしたかったかですが
かわず:この映画自体がクスリ、みたいな
かわず:そんな感じです
かわず:渇いているのは我々の脳内だったのです
気楽:あ、その話なんですけどね
かわず:見たい物に飢えてるんです
かわず:う、うん
かわず:(大論破の予感…)
気楽:原作と加奈子の大きな違いが
気楽:あるんですよ。
かわず:ほう(キターーーッ)
かわず:それ知りたい
気楽:役所広司にレイプされたか否かです
かわず:あぁー
かわず:そうなのか
気楽:果てしなき渇き(原作)は動機や人物設定が映画よりはあるんですよ
かわず:でしょうね
かわず:あんなペラペラでデビューできたら才能あり過ぎですよ
かわず:むむっ?
気楽:原作は結局、加奈子を化け物にしたのは自分だったという話なんですよね
かわず:はぁー
かわず:まぁ
かわず:映画でもそうとも見えましたけどね
気楽:そう?
かわず:いえ明確には…
気楽:映画だと誘ってくるのは加奈子で、既にあの時点で化け物になってる気がしたんだけど
かわず:そういう風にも受け取れるぐらい最低限の骨組みは残ってたような…ぐらいの
かわず:あぁなるほどね
かわず:でもあれ本当に本当の加奈子ですかね?
かわず:あの加奈子は誰の脳内でもない加奈子ですかね?
気楽:加奈子こそが空っぽだからこそ皆を惹きつけるこの映画なんでしょう
(※少し飛躍しているように見えるが、監督の意図によって加奈子をあえて空っぽの人物として設定したことはインタビューなどからも読み取れる。その加奈子をどう読み解くかは様々だろうが、ここではあえて表層しか描かない監督の映画観そのものと読み取ってみた。)
かわず:まぁねぇ
かわず:誘ったように見えたのは役所広司だけかもというね
かわず:あぁ
かわず:原作だとはっきり自覚するんですか?
気楽:それがですね
気楽:主人公は最後まで思い出せないんですよ
気楽:ただ他人にはお前がしたと言われる
かわず:じゃあ
気楽:これは責任の話として読めるんです
気楽:うん
かわず:あのあやふやな描写でもよかったような…
かわず:ほう
気楽:なんていうか、原作読んで二回目みて思ったんですけど
かわず:うん
気楽:最初に私が反応したような部分はどうも原作のほうが強い気がするんですよね
かわず:うんうん
気楽:その残り香に反応してたという感じ
かわず:私は
かわず:全然ピンと来なかった
かわず:話を聞いて
かわず:Twitterのね(※気楽くんが原作を読んで感じたという部分を映画版一回目視聴後に投稿→原作未読のかわずはピンと来なかった)
気楽:えーとね
気楽:じゃあ、原作の方の話で
かわず:うん
気楽:娘の性行為ビデオ見て勃起してしまうシーンとかがあるんですよ
かわず:はぁ
かわず:映画で言うと
気楽:それでも俺は目を離せなかったと
かわず:写真見て「クソが!」
かわず:の所みたいな
かわず:あら
気楽:場面で言うとエピローグで先生に会う直前のところですね
かわず:はぁー
気楽:この辺をただのクズ描写と見るのはあまりにもな気がするんですよね。
気楽:同じく加奈子を麻薬の比喩として見るにしても、それにしてはレイプが重すぎる(※比喩にしては人間的なものを背負い過ぎの意)
かわず:ふむふむ
気楽:この辺って、私が言ってたような、暴力と愛情の関係とかで見た方がしっくりくるんですよ
かわず:そうね
かわず:シザーハンズ理論ですか(※「シザーハンズ」はご存知ティム・バートン監督の同名作の両手がハサミのキャラクター。なのでシザーハンズは愛する女性を抱きしめることもできない。山嵐のジレンマと同意。)
気楽:そうそう
気楽:父親として、守りたいけど傷つけるかもしれない
気楽:そもそも能力がないかもしれない
気楽:俺は男か?クニオくんと
気楽:男らしさ、自意識の問題にまで繋がっていくという
かわず:ふむ
気楽:この辺が見えたんですよね
気楽:特に最近妹のことでよく似たようなこと思うもので
気楽:ただ映画版の役所広司はもっとまともでしたね
かわず:うーん
気楽:最終的にはちゃんと愛に目覚めてましたし。
かわず:そうね
気楽:「ぶっ殺す」も、昭和雷親父のゲンコツと同じものに落ち着いていました
かわず:カカロットは俺がぶっ殺す的な
気楽:そうそう
気楽:ぶっ殺す=アイシテル
かわず:未来日記PartⅡ
かわず:妻の浮気相手の車に突っ込む時とかねぇ
気楽:ギャリック砲五回点滅アイシテルのサイン
かわず:キェェーーーーッ!
気楽:そうそう
かわず:うん…笑
かわず:あれで何とかなると思ったんだよなぁ…
気楽:ゴメン…笑
気楽:結構ハッキリと不器用な人扱いをされてるよね
気楽:ある意味とても役所広司らしい役柄
かわず:暴力でしか語れないんすよねー
気楽:コンドーム持ってウキウキで前の奥さんとこ戻っちゃうしねー
かわず:笑
かわず:全然そういうんじゃねぇからっていうね…笑
気楽:監督もインタビューで、ぶっ殺す、ぶっ殺す言う割りに弱いよねとか言ってたよ
かわず:そういえばげすくんが(※げす…映画に関するトークを配信するPodcast「げすとかわずの映画戯画」のげすくん)
気楽:うん
かわず:主人公の名前が原作のものから昭和に変わった問題言ってたけど
かわず:単純に男の自意識自体もう昭和的な物になってしまったのかなぁと
気楽:なんかその悲鳴みたいな小説だったよ
かわず:そうなのかぁ
露悪でなぜ悪い!
気楽:今ちょっと気になってるのは
かわず:まぁ得する女の人一切出て来なかったしなぁ
かわず:映画も
かわず:うん?
気楽:僕の話がちょっと今言ってる映画のテーマだとちょっと抜け落ちてる気がするんだよね
かわず:ふむ
気楽:どちらかというと、男らしさ問題の方のキャラの気がするから
気楽:ああ、けど中毒患者だからいいのかな
かわず:というと?
気楽:幻想を信じ切っている男として
気楽:それぞれが自分の幻想持ってる話なので
気楽:幻想(世界をどう読み解くか)=相対主義みたいな
気楽:今回は音楽で明確にそれぞれの人物の話を分けてたし。(※登場人物が感じているであろう世界観を音楽で示す演出のこと。その音楽が極端に切り替わるのも全てに平等に価値がない世界観を示してるように見える。)
かわず:そうね
かわず:となると
気楽:うん
かわず:終始笑顔の妻夫木とか終始怒りの橋本愛ちゃんとか
かわず:そういう演技をさせて裏を読み取らせよう読み取らせようとさせていたのは
かわず:テーマとマッチしてたのかな
気楽:うーん
気楽:そのへんがねぇ
気楽:趣味の気が…
かわず:趣味かぁ
気楽:なんかね
気楽:あんなイキイキしてる妻夫木君見てるとね
気楽:絶対監督そういうの好きだからしてるだろと。
気楽:露悪的なの絶対好きだろと
気楽:そこから翻ってテーマ選ぶようになったろう、と
気楽:まあ、いいけどな。となるわけです。
かわず:まぁどちらが先かは明白ですな
気楽:うんw
かわず:「告白」の時は露悪とかっちょいーしかない人だったよね?
気楽:いや、あの映画が変化点だったのかなという気が。
かわず:まぁ「下妻」とかとは明らかにちがうわな
かわず:「告白」の時点で
かわず:まぁ橋本愛ちゃんのゴスファッションをぶち込んできた監督だから信頼してます
気楽:イイね!
おまけ
かわず:「告白」も「渇き。」も橋本愛ちゃんのことしか言ってない気がするな
気楽:だって加奈子可愛くなかったもの
かわず:うーん
かわず:可愛かったけどなぁ…
気楽:そうかぁ
気楽:染谷君に似てる気がするからかな
かわず:目が離れ…
//
かわず:[画像]
かわず:バクマンのあずき役に決まったのはワロタ
気楽:エエッ、
気楽:バクマンのあずき役になったのかい。
かわず:うわさによるとね
気楽:男騙しまくりですね
かわず:そうね
気楽:そうか、それができるくらいの美人ということなのか。わかってなかった。
かわず:神木くんと佐藤健が役柄逆だろとか言われてたけど
かわず:神木くんだったら間違いなく渇きのあいつみたいな話になってただろうね
気楽:そうだね。
気楽:ああ、じゃあ俺が加奈子現実感が無いのはイイとして説得力が無いのはどうなの?と思ってたのは私が可愛さに気付いてなかっただけなんですね
かわず:いやぁ〜
気楽:神木くんが巨乳と付き合うわけか…
かわず:!
かわず:可愛さは人それぞれっすな
気楽:神木ハーレムができるわけですね
かわず:なんだそれ?見たいぞ…
かわず:佐藤健ハーレムより見たいぞ
気楽:それを見越してだったのか!
かわず:すごい引き算だ!
気楽:ささ、じゃあこの辺で
かわず:はーい
気楽:今回の話よかった気がするのでやっぱりのっけましょう。
かわず:そうかい
かわず:そうしようか
気楽:久しぶりだしね
気楽:ではでは、おやすみなさい。
かわず:はいはーい
第七回 「渇き。」についての書簡禄 その1 ※完全ネタバレ注意
口に出すのも恥ずかしい 「渇き。」≒「観客が見たい物に見える映画」 説
気楽:かわずさん、「渇き。」どうでした?
気楽:というかアレってなんですか!?(※Twitterでのかわずの発言について説明を求めている)
気楽:アレをアレしたいとは?
かわず:@karumano346 そうか原作では加奈子は「アレ」の比喩なのかぁ…すげぇすっきりしてきた。それで中島哲也がそっちのテーマより「アレ」を「アレ」したかったのかな。劇薬エンタテイメントとはよく言ったものだな。「アレ」かぁ…。
かわず:これですね?
気楽:それです!
かわず:加奈子=ドラッグの比喩は原作と相違ないのだろうということがわかったわけですが(※原作者が加奈子について述べていた記事http://getnews.jp/archives/609051)
かわず:その比喩を中島哲也は原作にある要素としてそのまま表現してたと思うんだけど
気楽:ふむふむ
かわず:個人的には別にそこを本腰入れてるようにも見えなかったので
かわず:中島哲也はダイレクトな比喩を利用した別のことを表す比喩に意味をズラしたかったのではないのか?
気楽:おお、なんか凄いのきそう
かわず:文中の「劇薬」エンタ〜は「薬を求めまっせ」みたいな話だからという意味で銘打ってるのか…なるほど
かわず:ぐらいの意味ですかね
かわず:現代語訳すると
かわず:いえね
かわず:なんだろう
気楽:もしかして「空っぽ」ですか?
かわず:それも近いです
かわず:この説はすげえ言うのも憚られるような感じのアレなので
かわず:もう一回見て確かめたかったんですが
気楽:大丈夫!僕二回目見てきましたから
かわず:なにが大丈夫だ…笑!
気楽:どんな話題もバッチコイっすよ!!
かわず:なんて言うんだろうなぁ
かわず:すっげー恥ずかしいこと言うと
かわず:この映画は「観客が見たい物に見える映画説」
気楽:おお!
気楽:それは分かる!
かわず:あ、まじで?
気楽:中島哲也は薄っぺらさでこそ人間を描こうとしてるのではないか?
気楽:とか考えたときに、ちょっと思った。
気楽:あと、単純に一回目見たとき自分の見たいものが見えました。
かわず:うーん
薄っぺらい映像の向こう側
かわず:じゃあまず役者の演技から言うと
かわず:何も表現させてもらえてないのね
気楽:えーと、監督得意の薄っぺらい演技を求められて、真の感情などが伝わる仕草はさせてもらえてないと
かわず:そうそう
かわず:結果こちらが勝手に想像するんですよ
気楽:うんうん
かわず:この説に思い至ったのは
かわず:見た時の違和感と
かわず:柳下毅一郎の評を見て思いました
気楽:見てない!シマッタ!
かわず:http://www.targma.jp/yanashita/?p=2768(※柳下毅一郎氏の感想)
かわず:これやね
気楽:中島監督の作品は、所謂人間を描く作品に真っ向から反対する制作法で映画を作っているけれど
気楽:それで人間について考えさせないかといえばそうではない
かわず:そうね
かわず:むしろよく考えるんだよね
かわず:観客は
気楽:そして軽薄さや、ノリというものはそれこそ観客の気分を掴んでないと上滑りする
気楽:なんか、そういう従来の方法とは違うやり方で
気楽:物語、というよりは空気(これも語弊があるか)とかを描いているのだよな
気楽:という感じでしょうか
かわず:なるほどなぁ
かわず:そういう狙いがあるのかもしれんなぁ
かわず:というのも私は技法的なところばかり見ていたので
かわず:その狙いまでは考えてなかった
気楽:けど元はカッチョイイの人だとは思うのです
気楽:技法?
かわず:うーん
かわず:方法かな
かわず:監督が「これを意図的にしている!」ってのは気づいてるつもりです…みたいな
気楽:も、もうちょっと下さい
かわず:柳下毅一郎の説の話に戻ると
かわず:この評はそこまで思い至ってないのね
かわず:冒頭に
気楽:ああ、俺は誇りを持って軽薄してんだ、みたいな。
かわず:クリスマス→パーティ→ぶっ殺すみたいなぶつ切りのところから始まるけど
気楽:うん。
かわず:全く関連性のない時間、場所の出来事を繋げているようにみえてこのときはわからなかったものが後になるとわかる
気楽:あれ最初わからんかった…
かわず:柳下評ではだから全く意味がないことやってるってこき下ろしてるんだけど
かわず:でもあれって
気楽:うん。
かわず:クリスマスに若者たちが性的に乱れはっちゃけてます
かわず:役所「ぶっ殺す」
かわず:というリア充爆発しろ的な印象を受けるんですよ
気楽:クリスマスだしね
かわず:そうそう
かわず:たしかに
かわず:これがめちゃくちゃ重要な印象づけなのかというとそうでもなさそうで…
かわず:なんなのアレ?ってなるのは当然なんだけど
かわず:でも全く違う時間、全く違う場所、関連性のない人や台詞
かわず:これらを繋げてある印象を与える
かわず:これなにかわかりますか?
気楽:リア充爆発しろ?
かわず:いえいえ
かわず:映画ですよ
気楽:なるほど
かわず:もっと言うとモンタージュ理論ですしねこれ
かわず:関連のないものが並べられた瞬間に関連のあるものだと思うという
気楽:無意味なカットの繋がりに意味を与えているのだというやつですね
かわず:そうそう
えっちなこと考えた奴がえっち
かわず:そしてこの映画の冒頭に出てくる言葉
気楽:ぶっ殺す!
かわず:そっちちゃう…笑
かわず:イかれてると思う奴の頭がイかれてるみたいな
かわず:ジャン・コクトーの言葉が
気楽:キスキスバンバンに繋がるのかとおもた
かわず:示されるわけだけど
かわず:繋がるかっ…笑!
かわず:あれって「えっちなこと考えた奴がえっち」みたいな意味ですよね
かわず:女の子がバナナを食べてるところをテレビが放映したとしてクレーム入れてる方がどうかしてるんじゃないですか?的な
かわず:つまりやね
気楽:だからもっとバナナ食べる放送をしますみたいな?
かわず:うーん
かわず:この映画が残酷だと思った人がいたとしたら
気楽:ごめん、今のは流してくれていいやつですw
かわず:残酷なこと想像してたのはその人自身ですよ
かわず:みたいな装置なんですよこの映画
気楽:"ある時代が狂って見えるのは、見ている人間が混乱しているからだ"- ジャン・コクトー
気楽:これっすかね
かわず:そうそうそれやね
気楽:うーん。
かわず:えっちなこと考えてる奴がえっちなんやで
かわず:ジャン・コクトー
かわず:ですね
気楽:エッチしてなくても視姦したら一緒なんやで
気楽:キリスト
気楽:関係ないですね
かわず:そうですね…笑
かわず:その証拠というとあれですが
気楽:ほうほう
かわず:役所広司が韓国映画ばりにバックで犯そうとするシーンがよく出てきましたが
かわず:あそこが一番イライラしたんですよ
気楽:なんで?
かわず:寄り過ぎだしカット変わり過ぎて見えねぇぞタコ!
かわず:とね
気楽:聞いて良かったw
かわず:はいはい犯してますよ描写ねぇーと
かわず:でもよくよく考えたらカッチャカッチャ切り替わる何が映ってるかわからない映像に
かわず:音声聞こえてくるだけで
かわず:犯そうとしてるなんて確定出来ないですからね
気楽:ハッ!
かわず:マヌケは見つかったようだな
かわず:というわけで
かわず:この映画は少なくともこちらの想像力に多分に依拠した映像装置であることがわかるわけです
気楽:(い、いやけどあれは確かにしてたような…)
かわず:それは、あれです
かわず:気楽くんがえっちなんです(※してます)
気楽:いやん、まいっちんぐ!
かわず:それから観客が見たいものを…
かわず:何って言ってたっけ私…
かわず:えっと
かわず:観客の見たいものに見える説やね
気楽:うん
かわず:私が今回テンション上がった所は
かわず:なぜだと思います?
気楽:ま、まさかかわずさん、橋本愛を…
かわず:そうですね
かわず:あそこだけなぜか
かわず:探偵物の歳の差バディみたいに見えて
かわず:テンション上がったんですね
気楽:ギャフン!
かわず:あ〜
かわず:気楽くんえっちなこと考えてるぅ〜
かわず:とまぁ
気楽:シェー!
気楽:はい。
かわず:古い漫画という点しか共通点ない…笑
かわず:まぁ見えたんです
その2へつづく
第六回「ウルフ・オブ・ウォールストリート」についての書簡禄 その2
ずっとクズとして描かれていた奴らが、スゲエ奴らだったとなる瞬間
かわず:もはやジョナヒルが即日仕事辞めたシーンで泣きそうだもん、ぼく
気楽:おかしなやつだけど本当にいい奴なんだよ
かわず:「こいつ本当に辞めやがった」
かわず:に込もってる
かわず:(とこちらが思ってるだけだけど)
気楽:逆に言うと最大限信じてくれてるってことだもんね
かわず:感情というかね
かわず:そうそう
かわず:あれめっちゃいいシーンだぜ
かわず:こいつ本当に辞めやがった(半笑い)
気楽:その視点抜けてたわ
気楽:私は一緒に薬ヤルシーンが好きですね
かわず:なかなか効かないやつね
気楽:そっちもいいけど、最初のがね。
かわず:あぁ
かわず:中学生がたばこ吸うみたいなね
気楽:そうそう。
かわず:なかなか効かない方も
かわず:AV仕入れた中学生みたいでいいじゃん
気楽:薬のビンテージとかで興奮するんじゃねぇよ、って感じで笑っちゃったな
かわず:二人ともめっちゃ興奮してたもんな
かわず:レモン手に入れたぜー!マジかよー!
気楽:よし、じゃあパーティだ!
気楽:胃の中ちゃんと綺麗にしとけよ!
気楽:みたいな。
かわず:そうそう
気楽:で、あのベロベロ具合
かわず:あれはもう映画史に残っていいはず
かわず:電話を切れー!
気楽:残らないとレオ様可哀想すぎる(あ、この映画以降私は彼のことをレオ様と呼ぼうかと思います)
かわず:今、スイス銀行にかけてんだよ!黙れ!
かわず:のとことか
気楽:あの、電話のコードの引っ張り具合ね
かわず:レオ様呼びは私も考えてましたよ
かわず:あれね
かわず:ベロベロの状態で
かわず:コード首に巻きつけて
かわず:奥さんの「ジョーダンやめて!」(※レオナルド・ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォードのこと。一応)
かわず:ってのがね
かわず:離婚の原因まじでわかんねぇのかこのアホはと
気楽:あそこ他人に覗かせたからじゃないの?
かわず:だけじゃねぇだろあんなの!
気楽:まあ、あれまだ平和なシーンでしたからねw
かわず:家を抵当に入れたりとか
かわず:ベロベロでヘリで帰って来て庭荒らしたり
気楽:家庭のことはまるで考えて無かったですね
気楽:叔母さん誘ってましたし
かわず:市民ケーンだとさ
気楽:うん
かわず:社会に夢を持って颯爽と街に降り立つところから
かわず:のし上がって
かわず:全て失くしましたよ
かわず:だったけど全然もう気持ちわかんねぇよ!
かわず:ってなったし
かわず:ソーシャルネットワークも
かわず:それに比べたら友情失くしましたよの線も強まってたけど
かわず:結局はF5、F5で元カノのことかい!
かわず:だったし
気楽:マークの心はブラックボックスでしたね(※ブラックボックス…中身の見えない構造の箱のこと。この場合は登場人物の感情が読めないように描かれていること)
かわず:そうそう
気楽:今回は完全にジョーダンベルフォード目線で見れましたね
かわず:そうだね
気楽:さすがタクシードライバーの監督ですよ(※外基地に感情移入させる稀有な監督の意)
かわず:飛行機乗ってのドタバタとかもさ
かわず:飲み会後のドタバタみたいで
かわず:スコセッシおじいちゃんだ〜いすき
気楽:最低なんだけど、楽しそうだなと思っちゃうよね。
かわず:な出来ですよこれは!
気楽:うぉううぉうぼーくも大好きさ!
気楽:いや、本当にね。
かわず:コンピューターおばぁちゃん…笑
かわず:たぶんね
かわず:宇多丸さんが言ってたような
かわず:ニュアンスも読めなくはないんだけど
かわず:それってジョーダンを追ってる刑事がさ
かわず:一仕事終えて英雄と称えられてもおかしくない状況なんだけど
気楽:もともとスコセッシ監督、倫理的なものにこだわりのある人でもあるしね
気楽:そこはやらないんだよね
かわず:そこは染みったれたいつもの地下鉄でしたっていうね
かわず:そのシーンとラストで
かわず:浮上すると言えばするんだけど
かわず:むしろそれは
気楽:ほむ
かわず:お前らにはこんな連中いるのか!?
かわず:人生ではこれが大事なんだぜ!
かわず:ってところに着地してる気がして
かわず:宇多丸解釈に疑問符がついたんですよ
気楽:ずっとクズとして描かれていた奴らが、スゲエ奴らだったとなる瞬間とも言えますよね、あそこ
かわず:そうよね!
かわず:俺にペンを売ってみろつって
気楽:そして、あいつらを写す時はレオ様目線という。
かわず:これは画期的なペンでして…
かわず:次!
気楽:(あいつら=普通の人)
かわず:このペンは…
かわず:次!
かわず:のところで
かわず:なんでレオ様がこんなアホの相手せにゃならんのだ
かわず:レオ様の視点になる
気楽:あれ、淋しいよね…
かわず:アホがこんなにいますよー
かわず:終わり
かわず:ってなぁ!
気楽:最初のメンツ一筋縄ではいかなすぎてレオ様困ってましたからね
かわず:そうね…笑
気楽:困らせることすらできないって、あかんなぁと
気楽:まあ、私も売れませんがw
かわず:おぉ
かわず:良いこと言うなぁ
かわず:困らせることすらできなくてなにが仲間か、と
かわず:まぁ、私も売れません…笑
気楽:そんな良いこといってたのか、俺!
気楽:後にならないと気づかないっていうのも、良いですよね。
かわず:そうねぇ
かわず:本当はあんなに楽しそうだとわかっていそうだけどねぇ
かわず:失くして初めて…ってのはまぁ真理だと思います
気楽:レオ様は最後仲間と別れましたが、実際のスコセッシおじいちゃんには、未だにジョナヒルが近づいてきたりしてるわけで。
気楽:本当にいい話ですよね
かわず:そうねぇ
第六回「ウルフ・オブ・ウォールストリート」についての書簡禄 その1
ウルフ・オブ・ウォールストリート ただの最高映画です!
気楽:かわずさんお元気ですか?
かわず:まぁ健康そのものですな
気楽:そうですか
気楽:で、ウルフどうだったんですか?(※マーティン・スコセッシ監督『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のこと)
かわず:あぁそうですね…
かわず:うーん…
かわず:あれねぇ…
気楽:んんんー?
気楽:んんん?
かわず:ただの最高映画です!
気楽:最高ですよね!
かわず:そりゃそうだよ
気楽:あんまいうことないという感じですか?
かわず:どうだろう
かわず:宇多丸評だと(※TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』内の映画時評コーナーでの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の評論)
かわず:最後のカットの人々がまさに「つまらねぇ人生に甘んじてるお前らだぞ」(※「お前ら」=観客)
かわず:になってるということだったよね
気楽:あれは、違うと私は読んでます
かわず:やっぱひっかかったよね?
気楽:あれは、もう取り戻せない仲間描写だと思ってます
気楽:私はね
かわず:だよね!
気楽:ネタバレになるから言えなかったんだけど
気楽:今回ジョナヒルとの友情の切れ方が生温いと思うんですよね
気楽:というのもグッドフェローズでは(※『グッドフェローズ』同監督作)
かわず:うん
気楽:同じように証人保護プログラムを使って主人公がデニーロ裏切るんですけど
気楽:その前に、デニーロが俺を殺そうとしている、という話があるんですよね
かわず:ふむふむ
気楽:グッドフェローズとか言ってるけど、所詮は利益考えて付き合ってるんですよ
気楽:今回はそうではなく
かわず:うん
気楽:わざわざジョナヒルにバラしてましたよね
かわず:そうよね
かわず:お前売るから
かわず:ちがうこと言えってね
気楽:あれはこれまでとは違った友情描写だと思ってます
かわず:うんうん
気楽:お前、クロニクルからずっとおんなじようなこと言ってねぇかと言われると辛いですがね
かわず:いやいや
かわず:ぼくもあれは
かわず:大事な友達いなくなったって話として見ましたよ
気楽:あんだけくだらないことしててもあいつら凄い重要な仲間だったんですよね
気楽:個人的には、スコセッシが
かわず:うん
気楽:先輩から学んだことを
気楽:(ロックンロールや、近所のヤクザ)
気楽:そのまま周りに伝えるような映画とっていったら
気楽:こんなに仲間ができたよ
気楽:やったね、たえちゃん!
気楽:な話やなぁと
気楽:思っとります
かわず:はぁ
かわず:なるほどね
かわず:着地点の
かわず:いなくなった状態というよりも
かわず:いなくなることで大切だったことが強調されてるわけね
気楽:そんな感じ。
かわず:だって本来
かわず:ドワーフを呼んで何する?って会議とか要らないシーンに見えがちだけど
かわず:あそここそ同性同士のキャッキャウフフだから
かわず:要るんだよね
気楽:スコセッシおじいちゃんもブロマンス好きなんですよ!
気楽:けど、ディパーティッドの頃のことを考えるとかなりいいところまで来たんだなぁと思いますよね
かわず:そうね
気楽:老いぼれのくせに、結婚もせずになにしてんだお前は、とか散々言われた挙句殺されるニコルソン
気楽:で、そのあと全員皆殺し(※気楽はディパーテッドが大好きです)
かわず:スコセッシおじいちゃんなにしてるんだろう?
かわず:って感じだったね
気楽:そのあと、シャッターアイランドでロボトミーされます、私な話になって
気楽:あれと、ローリングストーンズのライブと、ヒューゴを経て最高潮に素晴らしいおじいちゃんになった気がしますよね
かわず:本当にここまで長かったね
第五回「大脱出」についての書簡禄 その3
シュワルツェネッガーと銃火器の思い出
気楽:(もちろん、マシンガンとの関係も忘れてないよ)
かわず:マシンガンは大脱出のあれですか?
気楽:ラストスタンドもちゃんとやってるよ
かわず:やってたか
かわず:いやね
かわず:あの何回見栄切るねんっていうマシンガンのシーン
かわず:めっちゃ上がったなぁと
気楽:そこの話をする時は、銃の話をしないといけない気も
かわず:そうか
気楽:あまり詳しくないのでそんなに言いたくないのだけど
気楽:大脱出でのシュワが持ってる銃って大してデカくないんですよ
かわず:ふむ
かわず:あぁそうなの?
気楽:スゲぇあほなこと言いますけどね
かわず:うん
気楽:シュワルツェネッガーが拳銃を持つ時はデザートイーグル!みたいな感じがあった気がするんですよ
かわず:なるほど
気楽:それで、普通!みたいな
かわず:標準装備なのね…笑
気楽:おぼろげな記憶ですが、少なくとも、コマンドーでマシンガン撃った後のサブの武器としてハンドガン撃ちだした→デザートイーグル
気楽:レッドブルでロシアからでかいあいつがやってきた→改造デザートイーグル標準装備
気楽:ラストアクションヒーローでスゲぇ強え正義の刑事!→ハンドガンはデザートイーグル(ダーティハリーのパロディ)はあった気が。
(注 調べてみたところ、イレイザーでも敵のデザートイーグルを拾って使っており、プレデターでも未使用ではあるがサブウェポンとしてデザートイーグルを装備しているらしい。意外というべきか、やっぱりというべきかジェームズ・キャメロン監督の作品では使用していない。)
かわず:ふむふむ
かわず:それが今回あんまりデカくもねぇ銃になってると?
気楽:あとは、ショットガンとかマシンガン撃って、たまにグレネードランチャーもうって、たまに火炎放射して、たまにレールガン2丁撃ちして、たまに、氷漬けにしたり、悪魔ごと串刺しにしたり、砂漠でむきむきになりながら奴隷労働したり、宇宙人と戦って弓矢つくったり、マフィアに潜入捜査して浮気してそのままなかったことにしたり、ワニと戦ったり、人を撃ち殺すと興奮するよねと世間話したり、妊娠したり、ダメな兄弟がいたり、機械なのに最高の父親役になったり、
気楽:なんの話だっけか?
かわず:わかんなくなったよ…笑!
気楽:あと、分身もしてたな。
気楽:全身タイツも着てたな。
気楽:どうしてもTVで何度も見たやつの記憶が強い…
気楽:あ、で、そうそう。
気楽:大脱出見てる時って、シュワルツェネッガーが拳銃使ってるの見ると少し悲しくなるんですよ
気楽:ああ、シュワちゃんがこんな小さい銃を大事に大事に撃っている、と
気楽:こんな人じゃなかったのに。
気楽:と、思っていると最終的にあのシーンが来るわけですよ
かわず:ふむふむ
気楽:これが↑上がらないでか!!!↑↑↑
かわず:笑
かわず:ですな
気楽:シュワの復活には必ず機関銃乱射がいるんですよ。
かわず:なるほど(なにを言っているんだ)
気楽:人間だったシュワが改めて破壊の化身になる瞬間が必要なんです。
かわず:ということは今回でようやく復活を果たせたという?
気楽:今回は!
気楽:復活以上ですね!!
かわず:はぁ…
かわず:(雲行きが怪しくなってきた…)
気楽:シュワは人間でありながらも、破壊の神にもなれるようになったわけですよ
かわず:(なんだかほむほむが悪魔化したときの雰囲気を私は今、感じている)
気楽:例えるなら、昭和○○が、人間宣言をしながらも、神風起こしてG○Qをぶっ潰せるようになったような感じです
かわず:(想像しにくいわっ…笑!)
かわず:なるほど
気楽:その辺のさじ加減が本当完璧、素晴らしい。
気楽:なんか、まともに映画の中身について語ってない気もするな
気楽:まあ、いいか
かわず:だがそれでいい
かわず:うん
かわず:そういう映画だあれは
ついに人間となったシュワの新しい世界…
気楽:あと、シュワルツェネッガーが究極生命体だった証拠を挙げるとするなら
かわず:ほう
気楽:シュワルツェネッガーはSEXしないというのがあります
かわず:へぇ〜
かわず:そっか
かわず:トゥルーライズも
かわず:見てるにとどまるもんなぁ
かわず:奥さんのストリップ
気楽:あれはイイですね。
かわず:そうですね
気楽:シュワちゃんの映画って濡れ場少なかったんですよね。その辺が子供の頃にはまった理由でもあります。
かわず:たしかにねぇ
かわず:あいつらすぐキスしやがるからなぁ
気楽:これは多分クリーンなイメージを保ちたかったというシュワの保身と、シュワに求められた機械のような力強いイメージ、人間離れした強さを表現していたのだろうと
気楽:究極生命体にSEXはない、なぜなら頂点は常に一人という
かわず:うんうん
かわず:それがおセックススキャンダルですからね
気楽:で、反対にスタローンはたまに濡れ場があって嫌だったんですよね
かわず:でもそれは逆に言えば常に等身大で闘い続けて来たということでもあるんですね
気楽:そうそう、それが言いたいのよ
気楽:これは、スタローンの強さが人間の感情と結びついていることとも関係があるわけです。
かわず:人間賛歌を描くジョジョがスタローンっぽいのもその辺なんですかね
気楽:そうそう、ひん曲がった口で叫びながら暴力を振るうわけですよ。(※揶揄ではない。)
かわず:なるほどなぁ
気楽:同じマッチョでも求められたものが全く違うわけですね。
かわず:確かにそうね
気楽:でさ、今回の大脱出に戻るんだけど
かわず:うん
気楽:タマフルでは、これはシュワがスタローンの世界で泥をかぶることをしてやろうとした、と言っていたけれど
かわず:そうそう
気楽:私としては、その行動をシュワルツェネッガーが、悩み苦しむ人間側のヒーローになったと捉えたいわけです。
かわず:うんうん
気楽:これがシュワルツェネッガー人間宣言後の世界
かわず:つまり宇多丸さんの言い方は少し気に入らなかったんだよね
気楽:恐れながらもそういうことですね
かわず:概ね合っているけれど
かわず:初めの方でその辺りの話出したのもだからなんです
かわず:シュワの禊というか通過儀礼的な意味合いが強いように感じたので
かわず:スタローンとの友情出演的な話に落とし込まれるのは違和感があったというか
気楽:多分、今後シュワの世界は変わりますからね
かわず:ついに人間となったシュワの新しい世界…
かわず:気になるねぇ〜
気楽:人間シュワが何と戦い、何をするのか?
気楽:楽しみですねぇ〜
かわず:個人的には大統領なって欲しいんだけどねぇ
かわず:映画の中で
かわず:まだまだ先だねぇそれは
気楽:そうですねぇ
気楽:というかもともと何と戦っていたのか?分からなくなってきたぞ
かわず:前田敦子か…笑