第六回「ウルフ・オブ・ウォールストリート」についての書簡禄 その1
ウルフ・オブ・ウォールストリート ただの最高映画です!
気楽:かわずさんお元気ですか?
かわず:まぁ健康そのものですな
気楽:そうですか
気楽:で、ウルフどうだったんですか?(※マーティン・スコセッシ監督『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のこと)
かわず:あぁそうですね…
かわず:うーん…
かわず:あれねぇ…
気楽:んんんー?
気楽:んんん?
かわず:ただの最高映画です!
気楽:最高ですよね!
かわず:そりゃそうだよ
気楽:あんまいうことないという感じですか?
かわず:どうだろう
かわず:宇多丸評だと(※TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』内の映画時評コーナーでの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の評論)
かわず:最後のカットの人々がまさに「つまらねぇ人生に甘んじてるお前らだぞ」(※「お前ら」=観客)
かわず:になってるということだったよね
気楽:あれは、違うと私は読んでます
かわず:やっぱひっかかったよね?
気楽:あれは、もう取り戻せない仲間描写だと思ってます
気楽:私はね
かわず:だよね!
気楽:ネタバレになるから言えなかったんだけど
気楽:今回ジョナヒルとの友情の切れ方が生温いと思うんですよね
気楽:というのもグッドフェローズでは(※『グッドフェローズ』同監督作)
かわず:うん
気楽:同じように証人保護プログラムを使って主人公がデニーロ裏切るんですけど
気楽:その前に、デニーロが俺を殺そうとしている、という話があるんですよね
かわず:ふむふむ
気楽:グッドフェローズとか言ってるけど、所詮は利益考えて付き合ってるんですよ
気楽:今回はそうではなく
かわず:うん
気楽:わざわざジョナヒルにバラしてましたよね
かわず:そうよね
かわず:お前売るから
かわず:ちがうこと言えってね
気楽:あれはこれまでとは違った友情描写だと思ってます
かわず:うんうん
気楽:お前、クロニクルからずっとおんなじようなこと言ってねぇかと言われると辛いですがね
かわず:いやいや
かわず:ぼくもあれは
かわず:大事な友達いなくなったって話として見ましたよ
気楽:あんだけくだらないことしててもあいつら凄い重要な仲間だったんですよね
気楽:個人的には、スコセッシが
かわず:うん
気楽:先輩から学んだことを
気楽:(ロックンロールや、近所のヤクザ)
気楽:そのまま周りに伝えるような映画とっていったら
気楽:こんなに仲間ができたよ
気楽:やったね、たえちゃん!
気楽:な話やなぁと
気楽:思っとります
かわず:はぁ
かわず:なるほどね
かわず:着地点の
かわず:いなくなった状態というよりも
かわず:いなくなることで大切だったことが強調されてるわけね
気楽:そんな感じ。
かわず:だって本来
かわず:ドワーフを呼んで何する?って会議とか要らないシーンに見えがちだけど
かわず:あそここそ同性同士のキャッキャウフフだから
かわず:要るんだよね
気楽:スコセッシおじいちゃんもブロマンス好きなんですよ!
気楽:けど、ディパーティッドの頃のことを考えるとかなりいいところまで来たんだなぁと思いますよね
かわず:そうね
気楽:老いぼれのくせに、結婚もせずになにしてんだお前は、とか散々言われた挙句殺されるニコルソン
気楽:で、そのあと全員皆殺し(※気楽はディパーテッドが大好きです)
かわず:スコセッシおじいちゃんなにしてるんだろう?
かわず:って感じだったね
気楽:そのあと、シャッターアイランドでロボトミーされます、私な話になって
気楽:あれと、ローリングストーンズのライブと、ヒューゴを経て最高潮に素晴らしいおじいちゃんになった気がしますよね
かわず:本当にここまで長かったね