第四回「ルームメイト」についての書簡禄 その1 ※ネタバレ注意
ルームメイトは良い映画?
気楽:かわずさん、ルームメイトどうでした?
かわず:ルームメイトはねぇ
気楽:うん。
かわず:起承転結の転から先が珍しくおもしろかった印象だね
気楽:そうだね
かわず:転あたりまでで終わるものも多い中で
かわず:そこはしっかりやってたので好印象ではあるかな
気楽:何度も転してたしね。やりすぎ感もあったけどあれはあれで楽しい。
かわず:たぶんそういう意味では脚本は文句ないかな…あんまり
かわず:でもですよ!
気楽:?
かわず:演出面は許してないですよあの監督!
かわず:前科2犯ですよ!(※古澤健監督…『アナザー』(2012年)で1度かわずの怒りを買う)
気楽:www
気楽:いや、私もその辺ですね。気になるのは
かわず:確かにですよ
かわず:あの稚拙さというか
かわず:上手くなさというか
かわず:とにかく即物的に画を繋げていってるって印象を受けたんですけど
かわず:そこがあの物語の世界観というか
かわず:歪さ
かわず:ウソっぽさを際立たせてて
かわず:プラスに働いてる面はあったと思うんですよ
気楽:うんうん
かわず:でもウソっぽ過ぎて笑っちゃうとか
かわず:違和感あり過ぎて笑っちゃうとか
かわず:そこまでやってくれてはいないので前半はけっこう退屈しましたね
気楽:私、この作品については一言で説明できますよ。
かわず:ぬな!
かわず:気楽さんも人がわるい
気楽:ダメ映画かと思ってたら意外と違って瞬間的に結構興奮した映画。
かわず:あぁー
気楽:けど後で考えると騙されてた気になるんですよね。
かわず:ニューヨークタイムズとかには載らない感じのやつですけどね…笑
気楽:あぁ、そっちの感じのが良かったか。
かわず:騙された…?
かわず:というとあの辺の話ですかね
気楽:いや、普通の映画って違和感を上手に演出するじゃない。
かわず:?
かわず:ほう
気楽:ここはおかしい気がしませんか、みなさん?とかさ。あとから見たらこれおかしかったのわかりますよね、とか。
かわず:まぁ…そうかね
気楽:この映画の場合違和感がある理由が最初のうちはダメ映画だからにしか見えないんですよ。
気楽:例えば、母親との電話とか
かわず:はいはいはい
気楽:この程度でうんなことなるかい!とかさ。思ってしまうわけです。
かわず:自分から電話かけといてね
かわず:ブチ切れてましたからね
気楽:そうそう、そこまでキレるものか?と。あそこで母親が実はやばい人なんだろうなと感じさせないと納得できないわけですよ、観客は。
かわず:そういやそうだ
気楽:で、その辺は一応転のお陰で説明つくっちゃつくんですよね。(※起承転結の転…深キョンが多重人格者かと思ったら北川景子こそが多重人格者でした。北川景子の中に、本人、深キョン良、深キョン悪が住んでいる)
かわず:まぁね
かわず:そこがちょっとズルいとこでもあるよね
気楽:転のところ見たときは「あれ、もしかして全部演出だったの?」とか思いましたけどね。
かわず:そこは極めて怪しいよね
気楽:そうそう。よく考えると、あれ単なる演出の問題じゃね?ってのがあるんですよね。
かわず:うーん
かわず:母親の過保護設定は一応補足してたっけ?たしか
気楽:というか、一番の問題は私たちが見ていたあの映画の前半部分は確実にダメ映画だったってことです。
かわず:そうね
かわず:深キョンとの共同生活とかもさ
かわず:物語って本当にこのプロセス踏まなきゃいけないのかなぁ
かわず:と見てる途中に考えさせられちゃうような出来だったし
気楽:なぜ、やめようとしない!why!!って思いましたよね。
かわず:普通、鍋の後でもう関係フェードアウトするよね?
気楽:うん。しかも、あそこ鍋→連絡全くしてないのコンボですからね。
かわず:はいはい
かわず:もうそりゃ絶交ですわ
かわず:でも、あの辺りは脚本的にもそんなに上手く見えないよね?
気楽:そうね。そりゃ、観客にはたっぷり違和感が残りますけど、映画に対する信頼も落ちるよ〜、という感じでした。
小さいマヌケ見ぃつけた
かわず:でも鍋で客をガッチリ掴んでた気はするよ
かわず:客層は女子中高大生多かったし
かわず:ホラーの客層と似てたもの
気楽:確かに。鍋は良かったね。
かわず:アナザヘヴンといい(※アナザへヴン…脳みそシチューのシーンは有名)
かわず:ホラー業界は鍋に恨みでもあんのかと思ったよ
気楽:鍋の蓋を取ると〜は結構やられてるのに、見た目にもなかなか良かったよね。
かわず:そうね
かわず:あそこさ
かわず:普通鍋の蓋開けてやっぱり!ってなる流れが多いけど
かわず:その前に鍋の中身確定するじゃないですか?
気楽:そうそう、血だらけの台所に首輪があるんだよね
かわず:あ、言っちゃった
かわず:だから開けなくていいから!見たくないから!ってめっちゃ思わされたよね
気楽:…ハッ
かわず:ニヤッ…
気楽:間抜けは見つかったようだぜ…(※微妙に間違っている)
かわず:お前が言うんかい…笑
かわず:まぁまぁ
気楽:私はむしろハードルこえれるのかなぁと心配になってましたけどね。
気楽:ちゃんと超えてくれました。
かわず:まぁね
かわず:でもその話になると
気楽:うん。
かわず:冒頭の反則的な叙述トリックのことが引っかかりますね
気楽:ほう。
かわず:あれ?
かわずありませんでした?
気楽:あれですか。レストランで第三者に会ってることですか?
かわず:いや
かわず:事件現場で警察が捜査してるところですかね
かわず:北川景子は担架で運ばれてたよね?
気楽:うん。
かわず:その直後、画面上に出てちゃいけない人物がしっかり出てきませんでしたか?
かわず:警察の人がその人の気配に気づいてってところです
気楽:ああ、あったね。そのシーン。
かわず:女だ!逃がすな!って言うじゃないですか
かわず:アウトですよね
気楽:あれ第四の人格だとおかしくなるんですかね。
かわず:ハッ
気楽:ニヤッ…
かわず:どうやら間抜けは見つかったようだな…(※こっちも間違い)
かわず:なーる
気楽:場所は知ってていいんだったかがイマイチ思い出せないなぁ
かわず:いいんじゃないかな…
かわず:もう、いいんじゃないかな…
気楽:まあ、最後になるまであまり説明されなかった人格でしたしね。
かわず:いやぁ
かわず:でも大恥かく前にわかってよかったですわ
かわず:ダークナイトのときも
かわず:最後に『The Dark Knight』って出て
かわず:騙されたーっ!とか言ってましたしわたし
気楽:ああ、それ私もなりましたわ。
気楽:ずっと暗い夜だと思ってました。
かわず:一般の客でもわかりそうなのにわかってないってことが普通にあるし
気楽:原題ちゃんと見ろ、というね。
かわず:間違い方が恥ずかしいので
かわず:そそっかしいのはどうにかしたいもんです
気楽:作品ごとにたまにあることなのでそこまで気にしなくてもいいとは思うんですけどね
かわず:あの後知った風な顔して騙されるよ!って吹聴してた記憶があるので…笑
気楽:それは…w少し気をつけてもいいかもね
かわず:まぁね
かわず:じゃあこの件は解決です、はい…笑