第一回 「クロニクル」についての書簡禄 その1
クロニクルとAKIRAと青い春
気楽:クロニクルどうでした?
かわず:聞いてた感じとちがうなぁと…
気楽:ああ、それは確かに。名作として押されてたけど佳作だった感じはありますね
かわず:というか、肝になってくる三人の関係性微妙じゃないかと
気楽:ほう?それはどういう事でしょうか、提督
かわず:艦これやってねぇよ…笑。いや、たぶんあれですよ?アンドリューは手を差し伸べてくれてる人間があんなにいたのに誰もわかってくれないと思ってる奴だから。テーマ的にはあれでいいんでしょうよ。ただ…ね?
気楽:どういう関係性だと思ってたの?
かわず:三人のランクあったでしょ。リア度。(※「リア充の度合い」くらいの意味か?)
気楽:ああ。ファックボンバーズじゃないじゃんということか(※「地獄でなぜ悪いの」ボンクラ集団、「ここではリア充なんざ見たくないんじゃ糞が」、くらいの意味)
かわず:いやぁ。私は一方的な上下関係を含む友情の崩壊的な…もっと身も蓋もない言い方だと…まんまアキラ、まんま青い春的なものが見たかったのよ
気楽:ああ。そんなアキラじゃないじゃんはありましたね。個人的には、違和感を言葉で表すと、モールスを見に行ったら僕のエリだったって感じですね。
かわず:あぁ。ぼくエリの主人公は内向的なだけでわるいことしませんし、話もモールスよりウェットに描いていてラストはやるせないもんね
気楽:アンドリューいいやつじゃんって思いました。
かわず:お母さん思いでね。
気楽:そうそう。あのシーンめちゃくちゃ効いてきますよね。(※劇中の母親に布団をかける優しいシーンのこと)ブチ切れても人を殺そうとしてるわけじゃないし
かわず:あぁ…
気楽:一人にしてくれ!!の叫びには本当に一人にしてやれよ!!としか言いようがない感じ。なぜ親父を助けた!と言いたくもなりますよ
かわず:生きて欲しい母は死に、死んで欲しい父は生き残ったという。アンビバレントなやつですな
気楽:その点、モールスは違うじゃないですか。あいつはあれ以上の理想的な生き方ないですもん。最初からいじめっ子の歯を抜きかねない感じですから。アンドリューはまだ先があるんですよ。数ヶ月ほっとけば多分謝りにきます。
かわず:できるかなぁ…アンドリュー
気楽:できます!できると言ってやりたいキャラ、アンドリュー。ちなみに青木君は多分無理です。
(※青木君…映画「青い春」の登場人物、青春の悩みで文字通り真っ黒になった人)
かわず:それなんだよ。青木くんは上下を覆せる力を得てないわけだから。そこが「青木ぃーーーっ!!(ばかばか青木のばかぁー)」と叫びたくなるポイントなわけで
気楽:鉄雄はちなみにどうなんですか?(※鉄雄…AKIRAの凸助)
かわず:あぁ、謝るわけがないので物語上肉塊に飲まれて収束するしかなかった奴の話ですか?彼は調子乗りたかっただけ感があるんですが
気楽:ええ。
かわず:力が強大すぎたので勘違いしちゃったのでね。こいつ、俺の後輩でよかった…ってタイプですから
気楽:先輩だと嫌なタイプですね。
まとめると
青木 力なし 勝てない
鉄雄 力あり 調子乗り過ぎ
アンドリュー 力あり 一人になりたい ということですか。
かわず:ふむ。まぁだから。同じようなテーマを含んだ作品なのだけれど、青木ポジションのキャラクターの性格によって作品のテイストが一変するんですね。
気楽:ねー。
鉄雄≒天津飯説(byかわず)
かわず:それで、クロニクルなんだけど。重箱の隅をつつくような批判をしたいわけではなくて、自分好みの成分のが見たかったなぁという感想になってるというのが現状です
気楽:それは分かりますね。好みがデカイ気はします。ちなみに、上の表だとアンドリューの望みだけが侘しすぎる気がするけど、青木君の本質がただかまってほしいだと考えると
かわず:ふむ
気楽:青木君最強説がやはり立ち上がりますね
かわず:ね!でも、今思うと、うぉー調子乗りてーぜ!なだけのカラッとした鉄雄も物語的な装置として必然なのだなと
気楽:彼だけに注目が集まるとマズイということでしょうか?金田もいるしアキラもいるし…以下略みたいな
かわず:鉄雄はね、あぁ見えて天津飯の地位です。
気楽:驚き要員ですか…
かわず:いえ
気楽:強さモノサシですか…
かわず:まぁそんなところです。想像してみてください
気楽:イマジンですね。
かわず:悟空の戦闘力を上回る人類最強の力を手にした天津飯の姿を…そうです。鉄雄です。
気楽:え、と…すみません、ちょっと理解が…
かわず:おそろしくないですか?天津飯ですよ?
気楽:天さんが暴れまわるってこと?それともお前人間じゃないじゃん?ということ?
かわず:うーん。後者酷ぇ…笑。あぁ、そうだよ。天さんは噛ませ犬的なポジションへの自覚もあるんです
気楽:ああ、毎回なんで俺こんなことやってんだって思ってて、それでもコツコツ修行している。ある日それが報われてしまうとしたら?と
かわず:そうですそうです。しかも建設的な目的は特にないんです。
気楽:天さん真面目だから抜き方知らないし。悟空ほどの虚無じゃないし
かわず:うんうん。「力が入ったら…あいつに勝てるのに…」ぐらいの願望が関の山です
気楽:後期の天津飯はもうあいつらに関わりたくもないけど自分のために体鍛えるのは辞めないみたいな大人っぽさも感じましたけどね。それでも、胸のうちでは何かが渦巻いているのでしょう。
かわず:目三つあるのになんもないんすよあいつ!ていうか
気楽:腕も四本出せるよ
かわず:ハゲに一個目描き足した顔なんすよあいつ
気楽:ちょっと(笑)そんなに、天さんに厳しくしないで。
かわず:というか。天さんがギリ踏みとどまれてるのは餃子がいてくれたからですからね。鉄雄には餃子はいない。それだけですよ。
気楽:ああ、天さん亀仙人一派に馴染めてなかったですもんねぇ。同門で同じ立場で話し合える相手がいないという。
かわず:ほらほら。鉄雄=天津飯説。
気楽:あんまり覚えてないんだけどチャオズって途中で死んでなかったっけ?
かわず:天…さん…やね
気楽:ほら、二回死んだから蘇れない云々みたいな
かわず:そうです。それを機に鉄雄になるかと思いきや、何かを変えれる力もないので最後の言葉があ…あ…なんですよ
気楽:やめるんだ、天さん。死んでまうぞ、と。
かわず:おっ…お…だっけな?
気楽:セルにやられた時?
かわず:たしかね。
気楽:あれからも一人でZ戦士からも無駄と見られるような修行をしたのでしょうね。普通に考えたら、その状態すでに基地外ですね。ダーガーさんですよ。(※ヘンリー・ダーガー…誰に見せるでもなく男性器のついた幼女の絵を描き続けていた男)
かわず:そんな天津飯がちからを持ったら…
気楽:気づいたらZ戦士全員殺してそうですね。ようやく、わかりました
その2に続く