第二回「劇場版 まどかマギカ〔新編〕 叛逆の物語」 についての書簡禄 その2 ※ネタバレ注意
システム対ほむほむ
かわず:さっきQBが
かわず:システムだという話ありましたけど
気楽:うん。
かわず:どちらかというと悪意に近い願望そのものな感じがしてて
かわず:それがあんな「キュー」しか言えないとか(※「キュー」…本作では殆ど喋ることがない。おいたわしや。)
気楽:下衆な視聴者目線みたいな感じかな
かわず:そうそう
かわず:ってだれが下衆な視聴者やー!
かわず:でもその通り
気楽:ウンバッバッウンバッバ言うてな(※ウンバッバッウンバッバッ…ドンドットットードンドットットーじゃないだろうか?)
かわず:今回その下衆な視聴者の具現たるQBさんはどういう扱いされてたかで見終わった後の感想の正体がわかるんじゃないかなと
気楽:そうかぁ、完全にシステム目線で見てたからなぁ
気楽:先にシステム目線での話言っちゃってもいい?
かわず:うん
気楽:結局システムを超えるために何が必要なのか?倫理なのか?いや、だとしたらそれはQBにもわかられてしまうはすだ。何故なら倫理はある程度基準が決まっているから
かわず:ふむ
気楽:記憶が曖昧なのだけどQB自体、それが君たちの世界では正しいのだろう〜?みたいなこと言ってた気がするし
気楽:多分みんなの為に動くまどかも倫理の側だよね。
かわず:そうそう
かわず:しかも
かわず:正当性を帯びてるんだよ
気楽:で、それすらもシステムに取り込まれそうなわけ
かわず:うん
気楽:そこで出てくるのが変態ですよ
かわず:そうね…笑
気楽:要するに個人の欲望です。これは、取り込めないんですよ。だってわけがわからないから。本人だってろくに分かっちゃいない。
気楽:マクガイヤーさんが人間讃歌って言ってましたけどまさにその通りで、システム糞食らえ!人間讃歌は命の讃歌な話なんだけど、「お前に俺の気持ちなど一生わかるまい」の理由が「何故なら俺は変態だ」なのです。
かわず:うんうん
気楽:ほむほむなんてあんな風に感動的に仲間に迎え入れられることを拒絶しますからね。あの展開みんな予想してないですよ。わけがわからないです。
ほむほむの小規模な願望
かわず:うーん
かわず:ほむほむは自称悪魔となりましたが
かわず:なった後にしてること考えると
かわず:そんなことしたかっただけ?
かわず:というのが強い
気楽:あそこは、要するに仲間を大事にするという倫理を「不完全な存在は一人では危ない」という原因にまで遡って力を手に入れることでその倫理を否定してしまってるのでは?とか思いました。欲求のために倫理をも超えるという、これこそが叛逆の物語だったのかも、と。
気楽:で、自分の中では世界対俺とかスカーフェイスの話に繋がったんですけどね
気楽:まどかと一緒にいたいだけっていうね。
気楽:あのまどかへの愛情ももはや偶像崇拝みたいで、殆ど自己愛じゃないかというのがあるんですけどね。
かわず:うん
かわず:もこっちですよ(※もこっち…わたモテの主人公。非リア男性の女版。)
かわず:転校生まどかをどうこうするなんてのはもこっちの願望すべてが詰まってます
気楽:太陽がいっぱいみたいでしたね。淀川先生なら言ってくれますよ、あいつはレズだって。
かわず:笑
気楽:もこっちの願望をもう少し詳しく聞いてもいい?
かわず:なんだろう
かわず:倫理を否定してまでしたかったことの具体的なことがアレか?としか言いようないけど(※アレ…この場合、転校してきたほむらに優しく接したまどかとの本来の関係が逆転してるという場面あたりのことか?)
気楽:?
かわず:なんかもっとあるんじゃないかなーと
かわず:ぺろぺろしたいとか
かわず:あるんじゃないかなーと
かわず:だってですよ!
かわず:最初の出会いのほむほむとまどかって
かわず:確かに見てるこちらが恥ずかしくなるようなささやかな「この人は自分を友だちとして見てくれた」描写として成立はしてるけど、あのあと実はそんなに仲が深まるような
かわず:本当の親友イェーイ!みたいな
かわず:わたしたちズッ友だょ!
かわず:みたいな描写は一切ないわけで
気楽:どうしてそんなにこだわるのか?下心くらいは確実にないとおかしいと?
かわず:うん。ちょっと声かけただけなのに親友と思ってる、やだこの子!
かわず:な感じがほむほむだなと思ったので、もこっちぐらいの願望しか持ち合わせてないのかなと
気楽:前の時系列が濃密だったんじゃない?(※前の時系列…TV版にしろ劇場版にしろまどかが世界を書き換える並行世界ではなく、それ以前のという意味。)
かわず:うーん
かわず:いや、そんなに仲良さそうじゃなかったよ
気楽:やっぱり元々思い込みの激しい子なのか…
かわず:前の時系列のまどかって
気楽:けど、最終的に同一化できない。何故なら同一化したらそれはまどかではないから!というのが業として根深く、そして、それが彼女に残った最後の社会性でもあるというのがかなりいいとは思うんですよ
かわず:わりかし嫌な感じの女子だから
かわず:まぁねぇ
気楽:そうだっけ?
かわず:なんかねぇ
気楽:クラスのみんなには内緒だよの人だよね?(※クラスのみんなには内緒だよの人…この台詞を言ってた並行世界のまどか。)
かわず:うん
かわず:ほむほむをそんなに相手にしてない感というか
気楽:ああ、憧れみたいな存在でしたね。
かわず:ほむほむが下の立場だから優しくしてる感が鼻につく
かわず:本人がそれを善だと思って自然にしてる感じとか
気楽:まあ、その時はブラック企業の上司みたいなもんですから
かわず:それでいうとマミさんだけどな
気楽:ただほむほむが頼れるのはまどかだけな感じというか、アラが見えなかったんでしょうね。
かわず:うん
気楽:だってほむほむだし…
かわず:ほむほむマジほむほむ
気楽:ほむほむマジほむほむ
かわず:やっぱこの感想であってるじゃないか
気楽:一言だったか。
かわず:一言に込めすぎだけどね
次回につづく…のか?
かわず:このあとあれかね
気楽:?
かわず:まどかの拒絶とかしないかなぁと
気楽:ほむほむはしないんじゃない?それこそ無意識に拒絶されることすら願望の一部になってる気がするよ。
かわず:いやいや完全な決裂というか
かわず:ほむらちゃん…こんなの絶対おかしいよ
かわず:まどか…あなただけはわかってくれると思ったのに…
かわず:みたいなめんどくさいやりとりが見たい
気楽:ほむほむはその時どうなってしまうのか。強がりながらラスボスになる準備をするほむほむとか見たいね
気楽:ただその辺の一歩手前まで話の構成が歪んでも頑張ってやってくれたことは評価したい
かわず:そうね
気楽:なんか今回、普通の構成というか、最後のあたり事象に対しての反論、その結果へのさらなる反論みたいな感じで続いてなかった。
かわず:うん
気楽:それが内向的な人の自己批判を見せられてるみたいで心地よかったんだよね
かわず:あれでしょ
かわず:ハルヒの消失のキョンみたいな
気楽:現実にハルヒはなんでいないんだと
気楽:ほむほむがまどかを独占しないはずがないと。
かわず:ハルヒがおる世界がええんやろ?つって自分で自分を足蹴にしてましたし
かわず:消失は長門がハルヒ消えろとシステム書き換える話でしたし
気楽:世界の書き換えが流行ってるなぁ。幼児的な万能感の、裏返しの気がするからどうなのかとも思うけどね。
かわず:そうね
かわず:子どもが
かわず:というか人が泣いたり怒ったりするのは自分の世界と現実の世界が一致しないからだって言うし
かわず:要は思い通りにならないときに怒るって話だね
気楽:そうそう、それを自分の感情そのままの世界にしたいというのは怖いことなんですよ本当は。
かわず:自分が全てのルールになってしまったら他者って概念が崩れるもんね
気楽:実は「個人対システム」ばっかりやってる虚淵玄の本質ってそこに行き着くっていうのを今回何度もどんでん返しすることで全部見せた気がするんだよね。
かわず:そうね
その3につづくかも…