気楽×かわずの小規模な往復書簡

映画好き二人のLINEでの会話をまとめたお手軽なサイトです。完全ネタバレ注意!

第二回「劇場版 まどかマギカ〔新編〕 叛逆の物語」 についての書簡禄 その2 ※ネタバレ注意

システム対ほむほむ

 

かわず:さっきQB

かわず:システムだという話ありましたけど

気楽:うん。

かわず:どちらかというと悪意に近い願望そのものな感じがしてて

かわず:それがあんな「キュー」しか言えないとか(※「キュー」本作では殆ど喋ることがない。おいたわしや。)

気楽:下衆な視聴者目線みたいな感じかな

かわず:そうそう

かわず:ってだれが下衆な視聴者やー!

かわず:でもその通り

気楽:ウンバッバッウンバッバ言うてな(※ウンバッバッウンバッバッドンドットットードンドットットーじゃないだろうか?)

かわず:今回その下衆な視聴者の具現たるQBさんはどういう扱いされてたかで見終わった後の感想の正体がわかるんじゃないかなと

気楽:そうかぁ、完全にシステム目線で見てたからなぁ

気楽:先にシステム目線での話言っちゃってもいい?

かわず:うん

気楽:結局システムを超えるために何が必要なのか?倫理なのか?いや、だとしたらそれはQBにもわかられてしまうはすだ。何故なら倫理はある程度基準が決まっているから

かわず:ふむ

気楽:記憶が曖昧なのだけどQB自体、それが君たちの世界では正しいのだろう〜?みたいなこと言ってた気がするし

気楽:多分みんなの為に動くまどかも倫理の側だよね。

かわず:そうそう

かわず:しかも

かわず:正当性を帯びてるんだよ

気楽:で、それすらもシステムに取り込まれそうなわけ

かわず:うん

気楽:そこで出てくるのが変態ですよ

かわず:そうね…笑

気楽:要するに個人の欲望です。これは、取り込めないんですよ。だってわけがわからないから。本人だってろくに分かっちゃいない。

気楽:マクガイヤーさんが人間讃歌って言ってましたけどまさにその通りで、システム糞食らえ!人間讃歌は命の讃歌な話なんだけど、「お前に俺の気持ちなど一生わかるまい」の理由が「何故なら俺は変態だ」なのです。

かわず:うんうん

気楽:ほむほむなんてあんな風に感動的に仲間に迎え入れられることを拒絶しますからね。あの展開みんな予想してないですよ。わけがわからないです。

ほむほむの小規模な願望

かわず:うーん

かわず:ほむほむは自称悪魔となりましたが

かわず:なった後にしてること考えると

かわず:そんなことしたかっただけ?

かわず:というのが強い

気楽:あそこは、要するに仲間を大事にするという倫理を「不完全な存在は一人では危ない」という原因にまで遡って力を手に入れることでその倫理を否定してしまってるのでは?とか思いました。欲求のために倫理をも超えるという、これこそが叛逆の物語だったのかも、と。

気楽:で、自分の中では世界対俺とかスカーフェイスの話に繋がったんですけどね

気楽:まどかと一緒にいたいだけっていうね。

気楽:あのまどかへの愛情ももはや偶像崇拝みたいで、殆ど自己愛じゃないかというのがあるんですけどね。

かわず:うん

かわず:もこっちですよ(※もこっちわたモテの主人公。非リア男性の女版。)

かわず:転校生まどかをどうこうするなんてのはもこっちの願望すべてが詰まってます

気楽:太陽がいっぱいみたいでしたね。淀川先生なら言ってくれますよ、あいつはレズだって。

かわず:

気楽:もこっちの願望をもう少し詳しく聞いてもいい?

かわず:なんだろう

かわず:倫理を否定してまでしたかったことの具体的なことがアレか?としか言いようないけど(※アレこの場合、転校してきたほむらに優しく接したまどかとの本来の関係が逆転してるという場面あたりのことか?)

気楽:

かわず:なんかもっとあるんじゃないかなーと

かわず:ぺろぺろしたいとか

かわず:あるんじゃないかなーと

かわず:だってですよ!

かわず:最初の出会いのほむほむとまどかって

かわず:確かに見てるこちらが恥ずかしくなるようなささやかな「この人は自分を友だちとして見てくれた」描写として成立はしてるけど、あのあと実はそんなに仲が深まるような

かわず:本当の親友イェーイ!みたいな

かわず:わたしたちズッ友だょ!

かわず:みたいな描写は一切ないわけで

気楽:どうしてそんなにこだわるのか?下心くらいは確実にないとおかしいと?

かわず:うん。ちょっと声かけただけなのに親友と思ってる、やだこの子!

かわず:な感じがほむほむだなと思ったので、もこっちぐらいの願望しか持ち合わせてないのかなと

気楽:前の時系列が濃密だったんじゃない?(※前の時系列TV版にしろ劇場版にしろまどかが世界を書き換える並行世界ではなく、それ以前のという意味。)

かわず:うーん

かわず:いや、そんなに仲良さそうじゃなかったよ

気楽:やっぱり元々思い込みの激しい子なのか…

かわず:前の時系列のまどかって

気楽:けど、最終的に同一化できない。何故なら同一化したらそれはまどかではないから!というのが業として根深く、そして、それが彼女に残った最後の社会性でもあるというのがかなりいいとは思うんですよ

かわず:わりかし嫌な感じの女子だから

かわず:まぁねぇ

気楽:そうだっけ?

かわず:なんかねぇ

気楽:クラスのみんなには内緒だよの人だよね?(※クラスのみんなには内緒だよの人この台詞を言ってた並行世界のまどか。)

かわず:うん

かわず:ほむほむをそんなに相手にしてない感というか

気楽:ああ、憧れみたいな存在でしたね。

かわず:ほむほむが下の立場だから優しくしてる感が鼻につく

かわず:本人がそれを善だと思って自然にしてる感じとか

気楽:まあ、その時はブラック企業の上司みたいなもんですから

かわず:それでいうとマミさんだけどな

気楽:ただほむほむが頼れるのはまどかだけな感じというか、アラが見えなかったんでしょうね。

かわず:うん

気楽:だってほむほむだし…

かわず:ほむほむマジほむほむ

気楽:ほむほむマジほむほむ

かわず:やっぱこの感想であってるじゃないか

気楽:一言だったか。

かわず:一言に込めすぎだけどね

次回につづく…のか?

かわず:このあとあれかね

気楽:

かわず:まどかの拒絶とかしないかなぁと

気楽:ほむほむはしないんじゃない?それこそ無意識に拒絶されることすら願望の一部になってる気がするよ。

かわず:いやいや完全な決裂というか

かわず:ほむらちゃん…こんなの絶対おかしいよ

かわず:まどか…あなただけはわかってくれると思ったのに…

かわず:みたいなめんどくさいやりとりが見たい

気楽:ほむほむはその時どうなってしまうのか。強がりながらラスボスになる準備をするほむほむとか見たいね

気楽:ただその辺の一歩手前まで話の構成が歪んでも頑張ってやってくれたことは評価したい

かわず:そうね

気楽:なんか今回、普通の構成というか、最後のあたり事象に対しての反論、その結果へのさらなる反論みたいな感じで続いてなかった。

かわず:うん

気楽:それが内向的な人の自己批判を見せられてるみたいで心地よかったんだよね

かわず:あれでしょ

かわず:ハルヒの消失のキョンみたいな

気楽:現実にハルヒはなんでいないんだと

気楽:ほむほむがまどかを独占しないはずがないと。

かわず:ハルヒがおる世界がええんやろ?つって自分で自分を足蹴にしてましたし

かわず:消失は長門がハルヒ消えろとシステム書き換える話でしたし

気楽:世界の書き換えが流行ってるなぁ。幼児的な万能感の、裏返しの気がするからどうなのかとも思うけどね。

かわず:そうね

かわず:子どもが

かわず:というか人が泣いたり怒ったりするのは自分の世界と現実の世界が一致しないからだって言うし

かわず:要は思い通りにならないときに怒るって話だね

気楽:そうそう、それを自分の感情そのままの世界にしたいというのは怖いことなんですよ本当は。

かわず:自分が全てのルールになってしまったら他者って概念が崩れるもんね

気楽:実は「個人対システム」ばっかりやってる虚淵玄の本質ってそこに行き着くっていうのを今回何度もどんでん返しすることで全部見せた気がするんだよね。

かわず:そうね

 

その3につづくかも…

第二回「劇場版 まどかマギカ〔新編〕 叛逆の物語」 についての書簡禄 その1 ※ネタバレ注意

 

ほむほむマジほむほむ

気楽:まどかマギカどうでした?

かわず:この前の4時間SPで前後編初めて通して見たんだけど(※4時間SP公開前日、MBSで放送されていた『劇場版まどかマギカ』を朝まで放送する番組。)

気楽:うん。

かわず:結局まどかが世界のシステム書き換える話だったわけだけど

気楽:ほいほい

かわず:続編が出て

かわず:叛逆の物語とくるともうこれしかないのは覚悟してたけど

気楽:うん。

かわず:なんだろう

かわず:すっきりしないねぇ…笑

気楽:そうだね

かわず:こう来るしかないからどんな球来るかわかってて

かわず:概ねその通りの球が来たのに

気楽:さらに続編があって三部作の真ん中と言われると納得する感じ、かな

かわず:あぁ

かわず:エヴァ破もたしかこんな気分にさせられたな(※エヴァ破序、破、Qで完結すると思っていた当時が懐かしい。)

気楽:スターウォーズで帝国の逆襲が一番人気なように、今回のまどマギはあの暗さゆえにカルト的な人気になる気がします

かわず:暗いのかなぁ

かわず:ポスターがあんな感じだから親子連れが間違えて入っちゃって悲劇みたいな話あるけど(※ポスター見た目はほのぼの可愛いアニメなので子どもは反応する。)

かわず:でも今回のは別に子どもに見せても全然いいなと思ってしまった

気楽:マジで!?

かわず:だめ!?

気楽:これが今回一番の驚きになりそう。

かわず:だめなのか…

気楽:今回のストーリーを一言で言うとどうなります?

かわず:ん?どう

かわず:ほむほむマジほむほむ

気楽:

気楽:ほむほむマジほむほむ?

気楽:その辺少し気になるんですよね。ほむほむはマジにほむほむだったのか。とか。

かわず:たぶんねぇ

気楽:TV版との間にストーリー上結構な時間があるわけじゃないですか。そこでキャラクターが変化してしまったわけですよね。

かわず:うん。これ「ほむほむ」がなんなのかから定義しないとまずいよね…笑?

気楽:そうですね。

かわず:ほむほむの本質はやっぱり変わってないように感じたよ

気楽:「ほむほむ」とはひととの交流を避け一人で敵をつくりながら生きようとする存在!

気楽:そうだね。

かわず:そうねぇ

気楽:本質にもともと備わってたものがとうとう出てきてしまった、というアッチャッチャ感が今回の作品の哀しさですよ。

気楽:もうね、感情移入せざるを得ないですよ!ほむほむ、何悪魔とか言ってんだ。と。

かわず:

気楽:QBもドン引きしてんぞ!と

かわず:「わけがわからないよ」が一番正しい感想でしたしね(※わけがわからないよQBの口癖。劇中でも華麗に披露。)

気楽:あそこ笑いましたよ。

「人間は利用するには危険すぎるみたいだね」ですよ。ドン引きです!!

かわず:そうなんだよなぁ

かわず:あの辺からほむほむの目の下に隈の慢符が入ったんだよなぁ

かわず:福満しげゆきみたいに(※福満しげゆき漫画家。好きな子にもう会えないと悟ったその日を境に目の下に隈の慢符が入る。)

気楽:僕の小規模な生活ですかw

シリーズのテーマおさらい

 

気楽:黒髪ロングは一人の印!暁美ほむら!!ってキャッチコピーはどうでしょう?

かわず:なんです急に

気楽:いや、髪の毛を結ぶか結ばないかのシーンがあったなぁと。縛られへんで!!ほむほむ縛られへんでぇ!な感じだったので。

かわず:あぁ三つ編みのところね

かわず:お前は守られてりゃいいんだよの

気楽:そうそう。

気楽:QBのとことも絡む話だと思うんですよ

気楽:QBって要するにシステムそのものですよね。

かわず:ですかねぇ

気楽:それに対して個人が打ち勝つのがTVシリーズだったわけです

かわず:うんうん

気楽:ここではまどかは魔法少女たちの総意みたいなものなわけで、

気楽:「個人対システム」の個人とは連なりのあるものだったんですよ。

かわず:うん

気楽:それが今回はそうではなく完全に一個人の欲望とシステムが対峙して、個人の欲望がかっちゃうわけです。

かわず:そうね

かわず:そこの話なら

かわず:正しさという悪というか

かわず:窮屈さを強いる正義というか

かわず:そこの話だったらうれしいなぁと思って見てました

気楽:これは本当の意味で「世界vs俺」になってる話なんじゃないかと。

つまるところ、これは「宮本から君へ」とか、「野獣死すべし」とか「スカーフェイス」の進化系なんだと思うんです。

かわず:それはなってるねぇ

気楽:そっちの「正義とは」みたいのとはズレだ感じでしたねぇ。

かわず:そうねぇ

かわず:鹿目まどかが完全なる正しい子という概念になってたので期待してたんですが(※概念TV版、劇場版の最後にまどかがシステムを書き換えてもう魔女にはさせないという新しいルールそのものになったこと。)

かわず:でも進化系なの?

気楽:うん、規模が違うもの

かわず:あ、そっか…笑

夢の世界とほむほむの無意識

かわず:ところで

かわず:途中までで感じたのは

かわず:これビューティフルドリーマーやなぁと思ってて(※ビューティフルドリーマーうる星やつら劇場版2作目。カメラを机の真ん中に据えて回る。街を出れない。イレギュラーな存在の小動物等、似たモチーフは多い。)

気楽:そうね。

気楽:橋がいっぱい煽りで出てくるあたりでなんかパト2思い出したりもしてしまった。

かわず:あの辺やっぱり意識してるよね?

かわず:でもあれはラムちゃんの無自覚な願望を無邪鬼が叶えたからループするわけで

かわず:最終的に夢を終わらせるのはラムでなく諸星あたるという他者だったし

気楽:そうそう!それですよそれ!!今回は本当に閉じた話なんです。

気楽:そもそも、ほむほむが秘密を探ろうとする動機すら怪しくないですか?

かわず:自演乙ですか?

気楽:そんな感じ。最初の夢の世界は、ほむらが理性的に願った世界であって、無意識から真に臨んだものじゃないと思うんですよ

かわず:うんうん

かわず:あれすごいよね

かわず:こんなの見に来たんじゃねぇっていう

気楽:マミさんたちと一緒にギニュー特選隊みたいにポーズ決めたり出来るか!とか絶対思ってたはずなんです。

気楽:だから違和感があるのじゃないかと!こんなの私の望んだ世界じゃないと、囁くわけですよほむの無意識が

かわず:違和感どころか

かわず:劇場の客全員ぽかんだったよ

気楽:あの辺はあの辺で楽しんでた人も多いみたいだよ。

かわず:げぇー

かわず:みんな腕組んでたよ…笑

気楽:なんか全員で仲良く学生生活送ってるのとか二次創作とかでよくありましたし。

かわず:でもさ

気楽:うん。

かわず:今回こういう話だろうなと覚悟して来ていたからさ

かわず:三つ編みのほむほむが出た時点でこれは業が深そうな話や…と思って

気楽:私全然予想できてませんでした

かわず:え、まじか

気楽:うん。どうやって新作にするんやろうと、特に考えもせず見に行きました。

かわず:あぁ

かわず:4時間SPで通して見てたから

かわず:わりかし整理されてたんですね

かわず:頭ん中

気楽:そういえば、パンフで多少新編に向けての編集してたみたいなこと言ってました。

かわず:だろうねぇ

気楽:TV版の続編ではなく、映画版の続編だと

かわず:ふむふむ

かわず:買ったんですね

気楽:買いましたよ!1000円もしましたよ!

かわず:こっちも買ったよ!

気楽:マジで!?

気楽:そんな気に入ったの?

かわず:そのまま帰ろうかと思ったけど

かわず:これ買っといた方がいいやつちゃうかと

かわず:引き返しました

気楽:おそらく今日二番目の驚きだ

かわず:まじか

かわず:なにがそんなに驚かせてるのかがさっきからわからん

気楽:いや、そんな好きじゃないんじゃないかと思ってたんですよ。なんとなく。

かわず:ネタバレチュウイ…(※ネタバレチュウイパンフレットを封するシールにそう書いてある)

気楽:ああ、そこが気になったんですね

気楽:率直に言って、好き嫌いどんな感じですか?もしくは面白い、面白くないとか。

かわず:うーん

かわず:好き嫌いで言うと好きだねぇ

かわず:面白い面白くないで言うとまだ微妙なところだなぁ

気楽:好きなのか!今日三番目の(以下ry

かわず:いやあれよ?

気楽:うん

かわず:そういう積極的な意味じゃないんやさかいな!

気楽:(……新しいデレだ……。)

気楽:やっぱザッカーバーグと重なるんですかね(※マーク・ザッカーバーグ..ここでは映画「ソーシャルネットーワーク」の主人公のほう。すべてを手に入れても元カノは友達申請を承認してくれないというオチがつく。F5.F5...)

かわず:やっぱりの意味がわからん…笑

かわず:あ、オチのところね

かわず:世界を変えたのに友だち申請許可してもらえないという

気楽:そうそう。

気楽:あとかわずさん普通にザッカーバーグ好きでしょう?

かわず:

かわず:なんだこの質問…笑

かわず:嫌いじゃないですね

気楽:この辺の話を聞くとやっぱりほむほむに感情移入ある程度できてるってことですよね

かわず:だってさ

かわず:♪まぁるいリンゴとかやってる世界なんか要らねぇよと思わなかった?(※♪まぁるいリンゴマミさんのお茶会で杏子に強要しているコールの一部。)

気楽:思った。

気楽:そして虚淵さんは絶対にこれを壊すだろうなとも思った。

かわず:そうね

気楽:というか、描き方そのものに悪意しかないという話か

かわず:マミさんの脚が弾け飛ばなかったのが残念で残念で

気楽:そこまで!

気楽:鬱屈してますな。

かわず:だってさ

かわず:TV版とかのキャッキャウフフでもきついですから

気楽:かわずさんよりほむほむの方がまともだったんですねぇ

かわず:なんだよまぁるいカボチャってよぉ?(※まぁるいカボチャマミさんのお茶会でほむらに強要しているコールの一部。)

かわず:それでいいのかほむほむ!

気楽:下手なキャバクラでももっとマシなゲームしそうですよね

かわず:

 

その2に続く

 

第一回 「クロニクル」についての書簡禄 その2

 

 アンドリューは生真面目すぎる

かわず:でもね狂ってるって言ったけどカラッと描かれてる点もダブるんですね

気楽:ほう?

かわず:クロニクルはウェットじゃないですか?

気楽:青木はそこそこウェットじゃない?

かわず:絶妙のバランスですね

気楽:それにしても青木最強説とか言ってしまったけど何が最強なのだろうか?

かわず:青木度が高いということですね…笑

気楽:なるほど。青木君がイデアだったのか。そりゃ最強だわ

かわず:てかなんの話してんだろ

気楽:クロニクルのウェットさは主人公目線だがらということでいいんでしょうか?

かわず:そうね青い春は九條目線だし

気楽:アキラも金田目線だね

かわず:しかもアキラの金田目線はそれこそ鉄雄のことなんか結構どうでもいい感が伝わってくるドライさですから

気楽:お前が子分から抜け出すっていうのかよ?というガキ大将の欲望そのまま一応心配もしてるけど友情かとか言われると違う気はしますね

気楽:最初の事故の話ですけど、あこまではモールスの話のラインで見てましたね

かわず:はぁたしかに…前フリ効いてるぅ!フゥーーーっ!ぐらいに思ってましたね

気楽:そうだね。こいつやべぇことするんじゃないのぉー!みたいな

かわず:そうね。「もしかしてだけどー!って何回も心の中で思っててもしだいにもしかしないんじゃないのー?みたいな

気楽:(笑)やっぱりカミナリ事件が契機ですかね

かわず:うん

気楽:あれで墓の前でちゃんと謝るという

かわず:なんだっけあれ?頂点捕食者?

気楽:頂点捕食者

かわず:云々言い出して車ひしゃげさす描写のこれじゃない感

気楽:頂点捕食者頂点捕食者いうて自己弁明しとりますけども…な感じね私はあの感じむしろ好きでした

かわず:言い訳感ととれればそれでありなんだけどあの絵面は誰か目撃者がいてっていうのが好みなので…ひ、ひぇーバケモンだー的な

気楽:客観的に怖いとこに行っちゃってる感じね

かわず:うんうん

気楽:歯のシーンでやった感じだったのかな

かわず:えぇーーー?同級生の歯折る程度なのがなぁ…

気楽:けどあの時が一番やばい感じでしたよ

かわず:まぁねぇ

気楽:だから、あいつ本当いい奴なんですって教祖ビテオを自分で撮り出した!というのはそれはそれでいいなぁと思いましたよ

かわず:わかった!もうちょいちがう意味でのどうしょうもない感がないんですよアンドリュー

気楽:ほう!違う意味とは?

かわず:歯折る程度で「見たか…これが頂点捕食者の力だ」とトイレで言うよう

気楽:厨二度合が足りんということかい?

かわず:まじめ過ぎるんですよ、あいつ

気楽:エクストリームに楽しませてはくれないね。確かに。けど、あいつがいうからこそ「この先は絶望だ!」にグッと来たよ。同じセリフを青木君が言っても、鉄雄が言ってもビョンホンが言っても頭はたきたくなりますよね。

かわず:もっと早くチベット行けてたらなぁ…生きてる世界が小さすぎるんですよね

気楽:真面目だから、見えなくなってんだろうな。というのが分かりますから。こっちとしても、そんなこと言うなよと言いたくなります。

 

話はなぜかパク・チャヌク批判へ…

かわず:非モテ的な悩みないからってのもあるかなぁ

気楽:それどころじゃない感じでしたね最初からビデオ撮らずにいられない状態ですから。

かわず:というか最後の従兄弟はなに言ってんだこいつ?感があってそれも微妙な点ですかね?なんかね。あいつもなにか勘違いしてるのでね。後味わるいというか

気楽:勘違いって従兄弟の?

かわず:うん

気楽:なんだろうなぁ。あのあたりはカメラに対して話しかけるってどういうことだろう。みたいなことを考えてえていたので理解できてないかもしれません

かわず:あいつも自分に酔ってるんですよ

気楽:空飛ぶシーンをわざわざとるっていうのはこの感覚を理解してくれる人はもうこの世にいないから、撮って共感をえるしかないんだよなぁとか

かわず:ほう

気楽:基本的に自分の中で整理するために話してるんだよなとか。それでもあいつに伝えられなかったことを何かに伝えたいとか。少なくとも、アンドリューが悪い奴じゃないっていうのは知ってるんだ、というのには納得できたのでそこそこに見れました。

太宰治人間失格ってラストで、「天使のようにいい子でした」とか言わせるじゃないですかけど、それに当たる部分見てないので、ハァ?ってなるんですよね。

かわず:あぁクムジャさんだ

気楽:クムジャさんってそうだっけ?

かわず:あの親切だったクムジャさんがどうして復讐するまでに至ったかが見たかったのにもう最初から復讐に燃えてて会う人会う人がクムジャさん親切だったもんね。「協力するわ!みたいな

気楽:クムジャさんの変化がないのね

かわず:あぁそうそう正しくは変化はあったらしいが見せてくれない

気楽:クムジャさんって復讐に燃えているんだけど、見た目は親切なままなんだっけ?

かわず:うん

気楽:感情はブラックボックスに入ってるのね。第三者目線でだけ撮ってるみたいな

かわず:そうねんでヨーグルトにイチゴムース垂らしたみたいなさ純潔が血で染まりまっせな映像何回も挟まれても知りませんやん。みたいな

気楽:ああ、そんなんもしてましたっけ。そりゃ言い逃れできまへんなぁおよよ

かわず:

気楽:どうしたんですか?

かわず:大したおよよではなかったのだね

気楽:ああ、すいません。関西弁言ったあとに付けたくなっただけです。

気楽:それとは関係ないんですが、第三者目線とクロニクルはなかなか面白そな話の気がしました。一瞬、真逆じゃないかと思ったんですが、いや、主観のようだけど客観的に撮られた映像だけで構成されてることになってると。この辺融合が上手いと言えるし、それだけでなく映像を撮るってどういうことだろうなと関連づけて考えてたくもなります。あとこれまでの話とはズレるんですが「監督失格」が酷かったのでそれに比べるとというので評価が甘くなってる気はします。

かわず:なるほど。第三者視点はどこ流れのあれだろう…

気楽:もしかしてクムジャさんはそういう実験だったのかなと。その後のヨーグルトの話で崩れちゃいましたが

かわず:いやぁ、恨(はん)を描きたかっただけちゃうんかなぁとか思ってたね

気楽:人に親切にすると復讐捗るよ!と

かわず:いえいえ

気楽:イイトコメガネ!

かわず:動機がなんであれ死ぬまで苦痛味わわせたる的な韓国特有の恨の思想

気楽:クムジャさんだとどう表れてたっけ?見たはずなのに本当に覚えていないな、あの映画。

かわず:親切だったはずのクムジャさんがなぜ復讐をするのかは重要ではなくチェ・ミンシクをいかにネチネチ復讐するかが重要という復讐の執行時間が相手1人なのにかなり長かった気がしまそ 

気楽:なんか、ただの愉快犯の気も…

かわず:だ・か・ら!

気楽:!?

かわず:あのパク・チャヌクの野郎は!自分の性的な部分をそれに乗せてるだけで!すっげー腹立つんですよ!

気楽:三池さんもそういうとこはあるじゃん

かわず:三池崇史はエンターテインな部分がまだ強いんですよ

気楽:そうね。「そういうとこは」としか書けなかったよまあ、ッカーパンチですよ。(※「エンジェルウォーズ」を見るくらいの心持ちで見たほうが良いの意)

かわず:毎回それですぜ?例えたら、エロもあって絵はうまいけど中身はつまらないマンガ需要はあるけど僕は個人的に求めてないというか

気楽:なんだろう。エアギアの人みたいなイメージよりは、みさくらなんこつかなぁそこまでじゃないか。

かわず:そこまでじゃないけどエアギアとは言いたくない感もわかる

気楽:描写の人だからね

気楽:なんだかんだで渇き面白いシーンいっぱいありましたよ

かわず:面白いシーンはね

気楽:他に何が要りますか?って堂々巡りですねこれ。

かわず:地獄でなぜ悪いの低評価と問題は似てて私まとまりのある話が好きなんです、たぶん

気楽:まあ、地獄でなぜ悪いはセルフパロディと映画愛それも映画とは興奮であるという理屈でごまかしているというところも多少ありますからね

かわず:そうね

 

以下略

第一回 「クロニクル」についての書簡禄 その1

クロニクルとAKIRAと青い春

気楽:クロニクルどうでした?

かわず:聞いてた感じとちがうなぁと

気楽:ああ、それは確かに。名作として押されてたけど佳作だった感じはありますね

かわず:というか肝になってくる三人の関係性微妙じゃないかと

気楽:ほう?それはどういう事でしょうか、提督

かわず:艦これやってねぇよ…笑。いや、たぶんあれですよ?アンドリューは手を差し伸べてくれてる人間があんなにいたのに誰もわかってくれないと思ってる奴だから。テーマ的にはあれでいいんでしょうよただね?

気楽:どういう関係性だと思ってたの?

かわず:三人のランクあったでしょリア度(※「リア充の度合い」くらいの意味か?)

気楽:ああ。ファックボンバーズじゃないじゃんということか(※「地獄でなぜ悪いの」ボンクラ集団、「ここではリア充なんざ見たくないんじゃ糞が」、くらいの意味)

かわず:いやぁ私は一方的な上下関係を含む友情の崩壊的なもっと身も蓋もない言い方だとまんまアキラまんま青い春的なものが見たかったのよ

気楽:ああ。そんなアキラじゃないじゃんはありましたね個人的には違和感を言葉で表すとモールスを見に行ったら僕のエリだったって感じですね

かわず:あぁ。ぼくエリの主人公は内向的なだけでわるいことしませんし、話もモールスよりウェットに描いていてラストはやるせないもんね

気楽:アンドリューいいやつじゃんって思いました

かわず:お母さん思いでね

気楽:そうそう。あのシーンめちゃくちゃ効いてきますよね(※劇中の母親に布団をかける優しいシーンのこと)ブチ切れても人を殺そうとしてるわけじゃないし

かわず:あぁ

気楽:一人にしてくれ!!の叫びには本当に一人にしてやれよ!!としか言いうがない感じなぜ親父を助けた!と言いたくもなりますよ

かわず:生きて欲しい母は死に、死んで欲しい父は生き残ったというアンビバレントなやつですな

気楽:その点、モールスは違うじゃないですかあいつはあれ以上の理想的な生き方ないですもん。最初からいじめっ子の歯を抜きかねない感じですからアンドリューはまだ先があるんですよ。数ヶ月ほっとけば多分謝りにきます。

かわず:できるかなぁアンドリュー

気楽:できます!できると言ってやりたいキャラアンドリューちなみに青木君は多分無理です

(※青木君…映画「青い春」の登場人物、青春の悩みで文字通り真っ黒になった人)

かわず:それなんだよ。青木くんは上下を覆せる力を得ないわけだからそこが青木ぃーーーっ!!(ばかばか青木のばかぁー)」と叫びたくなるポイントなわけで

気楽:鉄雄はちなみにどうなんですか?(※鉄雄…AKIRAの凸助

かわず:あぁ、謝るわけがないので物語上に飲まれて収束するしかなかった奴の話ですか?彼は調子乗りたかっただけ感があるんですが

気楽:ええ。

かわず:力が強大すぎたので勘違いしちゃったのでねこいつ俺の後輩でよかったってタイプですから

気楽:先輩だと嫌なタイプですね

まとめると

青木                力なし        勝てない

鉄雄          力あり    調子乗り過ぎ

アンドリュー  力あり    一人になりたい ということですか。

 

かわず:ふむ。まぁだから同じようなテーマを含んだ作品なのだけれど青木ポジションのキャラクターの性格によって作品のテイストが一変するんですね

気楽:ねー。

 

鉄雄≒天津飯説(byかわず)

かわず:それで、クロニクルなんだけど。重箱の隅をつつくような批判をしたいわけではなくて自分好みの成分のが見たかったなぁという感想になってるというのが現状です

気楽:それは分かりますね。好みがデカイ気はします。ちなみに、の表だとアンドリューの望みだけが侘しすぎる気がするけど青木君の本質がただかまってほしいだと考えると

かわず:ふむ

気楽:青木君最強説がやはり立ち上がりますね

かわず:ね!でも、今思うとうぉー調子乗りてーぜ!なだけのカラッとした鉄雄も物語的な装置として必然なのだなと

気楽:彼だけに注目が集まるとマズイということでしょうか?金田もいるしアキラもいるし以下略みたいな

かわず:鉄雄はね、あぁ見えて天津飯の地位です

気楽:驚き要員ですか

かわず:いえ

気楽:強さモノサシですか

かわず:まぁそんところです想像してみてください

気楽:イマジンですね

かわず:悟空の戦闘力を上回る人類最強の力を手にした天津飯の姿をそうです。鉄雄です。

気楽:え、と…すみません、ちょっと理解が…

かわず:おそろしくないですか?天津飯ですよ?

気楽:天さんが暴れまわるってこと?それともお前人間じゃないじゃん?ということ?

かわず:うーん。後者酷ぇ…笑。ぁ、そうだよ。天さんは噛ませ犬的なポジションへの自覚もあるんです

気楽:ああ、毎回なんで俺こんなことやってんだって思ってて、それでもコツコツ修行している。ある日それが報われてしまうとしたら?と

かわず:そうですそうですしかも建設的な目的は特にないんです

気楽:天さん真面目だから抜き方知らないし悟空ほどの虚無じゃないし

かわず:うんうん。「力が入ったらあいつに勝てるのにぐらいの願望が関の山です

気楽:後期の天津飯はもうあいつらに関わりたくもないけど自分のために体鍛えるのは辞めないみたいな大人っぽさも感じましたけどね。それでも、胸のうちでは何かが渦巻いているのでしょう。

かわず:目三つあるのになんもないんすよあいつ!ていうか

気楽:腕も四本出せるよ

かわず:ハゲに一個目描き足した顔なんすよあいつ

気楽:ちょっと(笑)そんなに、天さんに厳しくしないで

かわず:というか天さんがギリ踏みとどまれてるのは餃子がいてくれたからですからね鉄雄には餃子はいない。それだけですよ。

気楽:ああ、天さん亀仙人一派に馴染めてなかったですもんねぇ。同門で同じ立場で話し合える相手がいないという

かわず:ほらほら鉄雄天津飯説

気楽:あんまり覚えてないんだけどチャオズって途中で死んでなかったっけ?

かわず:さんやね

気楽:ほら、二回死んだから蘇れない云々みたいな

かわず:そうですそれを機に鉄雄になるかと思いきや、何かを変えれる力もないので最後の言葉があなんですよ

気楽:やめるんだ、天さん。死んでまうぞ、と。

かわず:おっだっけな?

気楽:セルにやられた時?

かわず:たしかね。

気楽:あれからも一人でZ戦士からも無駄と見られるような修行をしたのでしょうね普通に考えたら、その状態すでに基地外ですねダーガーさんですよ。(※ヘンリー・ダーガー…誰に見せるでもなく男性器のついた幼女の絵を描き続けていた男)

かわず:そんな天津飯がちからを持ったら

気楽:気づいたらZ戦士全員殺してそうですね。ようやく、わかりました

 

 

 

 

その2に続く

はじめに

 

 こんにちわ。気楽類蔵と申します。

このたび、友人の古池屋かわずさんとブログを始めることになりました。

 

~ある日のラインにて~

 

気楽:全然関係ないのですがこの会話何かに使えないでしょうか?

かわず:トリビアの種ですか?

気楽:いや、映画の話についてはそこそこ読めそうだなと。

かわず:まぁね

気楽:まとまったとこでブログに貼ってみるとか

かわず:あぁなるほ。さっき映画戯画に流用できねぇかなぁと思って合間に読み返してたけど、脱線がひでぇと思ってどうかいつまもうか考えてたけどブログねぇでもたぶんね

気楽:うん

かわず:我々ちょっとガチでツーカー過ぎるところがあるので

気楽:ああ。解説が足りないのかな

かわず:最初の方見ててこいつら何喋ってんのかまじでわかんねぇ、と思った・・・・

 

 

ということでかわずさんとのラインを晒してみることにしました。上で言及している伝わりづらいところに関しては主観的な注釈をつけております。

 

くだらない内容ですが、人の映画の感想をひとつでも知りたい方、人の意見をたたき台にして考えたいかたなどご自由にご利用ください。